パロップのブログ

主にTVドキュメンタリーを記録します

WW2関連をまとめて

内容に関しては自分よりも詳しい人がごまんといるだろうから、ここではTVドキュメンタリーのデータ起こしに徹し、価値判断は避けることにする。
13日放送の『Nスペ』「A級戦犯は何を語ったのか〜東京裁判・尋問調書より」は裏番組を録画してリアルタイムで視聴したのでクレジットは分からない。せっかく貴重な米国公文書館から尋問調書を入手したのに、知っている人は知っている話を再現するとは、という残念な印象だった。それこそ煙草の1本でも渡しながら裁判とは直接関係のない雑談なんかを拾った方が興味を惹かれると思った。

『Nスペ』「パール判事は何を問いかけたのか〜東京裁判 知られざる攻防」
2007/8/14初回放送、約55分、資料提供:日暮吉延/奥原敏雄/田中伸茂/田中久美子、撮影:佐々倉大、コーディネーター:ヒルト・ファンブレーメン、リサーチャー:山本クロディーヌ真理子、ディレクター:高木徹、制作統括:岩堀政則、制作・著作:NHK
せっかく名前で客を呼べるディレクターが局内にいるのに、番宣で「誰々制作!」と打ち出せないのはもったいない。NHKはいい加減にこの無記名主義を改めるべき。
放送前の仮タイトルは「東京裁判パール判事の真実」。これだと“右翼の言っているパール判事ネタは嘘ですよ”感が強いので、もう少し穏当にして射程の長いタイトルに変更したと推測。
余談。先日、本屋で森達也氏の『クォン・デ』をパラパラと立ち読みして「『パール判事』(というか『中村屋のボース』)の中島岳志氏と対談させたら面白そう」と思っていたら、来月そんなイベントが東京の方であるという。田舎の無職人が思いつくことなんて、とっくに考えられているもんだ。

ハイビジョン特集』「裁かれなかった毒ガス作戦〜アメリカはなぜ免責したのか」
2007/8/10初回放送、110分、資料提供:ライアン・ハリス/レイド・カービー他、取材協力:吉見義明/粟屋憲太郎(←9/6訂正)/上羽修/松村高夫(←9/6訂正)/行武正刀、撮影:野瀬典樹/藤田浩久/菊池太、取材:岩本善政/鈴木正徳/佐古純一郎/松山果包、ディレクター:大森淳郎/梅原勇樹、制作統括:塩田純、制作・著作:NHK
トーマス・モロー(中国へ調査に行った検察官)の子孫を訪問していたが、彼は『Nスペ』にも南京事件の件で出てきた。米国公文書館に残っていた森田豊秋への尋問調書を元に再現VTR、これも『Nスペ』と同じ手法。制作統括はどちらも塩田氏。ということで『Nスペ』「A級戦犯は何を語ったのか〜東京裁判・尋問調書より」とは姉妹編だと推定。こちらの方がマイナーな人物の調書を活かし、知られざる歴史秘話をうまいこと掘り起こしているようで良かった。
重箱の隅をつつく話だが、当時の公文書をナレーションするシーンで「日本ノ中華民國ニ対スル戦争ニ於テ毒瓦斯ガ使用セラレタリ」という部分を「にほんのちゅうごくにたいする〜」と読んだのはどうかと思った。「ちゅうかみんこく」はNGワードなのか。原文通りに読んだところで言葉自体に価値や立場が含まれているわけでもないだろうに、そんな配慮をしていると他の箇所にまであらぬ疑いをかけてしまう。
(8/21追記)図書館で読んできた『現代思想』2007/8月号の粟屋憲太郎×成田龍一東京裁判とは何か」に、この間の『Nスペ』を補完するようなことが書いてあった。法廷では弁護士も付いて弁明もうまくなっていたけど、尋問の時はもっと正直だったとか、『Nスペ』が尋問調書を使ってやりたかったことが何となく分かった。それから「支那事変における化学戦例証集」は粟屋氏自身が発掘したと書いてあった。粟屋氏はモロー氏が裁判途中で帰国したことについて「毒ガスの件が取り下げになったことに腹を立てたのだろう」と推測の域を出ない書き方をしているが、子孫を訪ねて「祖父は〜と言っていたそうです」という話を聞いてきたのはNHKの手柄。

ハイビジョン特集』「地獄を見たから生きてこられた〜満蒙開拓団の戦後」
2007/8/12初回放送、110分、撮影:米田要/小口修一、取材:牧島庄司、ディレクター:中村豊、プロデューサー:河本哲也、制作統括:渡邊庸治/北川恵、共同制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/テムジン
ちょうど1年前に放送された『ハイビジョン特集』「取り残された民衆〜元関東軍兵士と開拓団家族の証言」と制作スタッフが同じなので続編と考えてよかろう。最初は満州での記憶を取材しに行ったけど、そこで聞いた戦後の暮らしにも興味を惹かれたのだろう。そんなわけで戦争関連番組というよりは、日本の戦後を描いた番組。放送前の仮タイトルは「満蒙開拓団の戦後〜再入植の記録」だったが、内容が史料ドキュメンタリーよりも逞しく生き抜いた人間ドラマの方へ向いた分、人間味のあるタイトルへ変更されたと推測される。
弥栄開拓団→北海道標茶町大八洲開拓団(山形)→茨城県守谷市、栗熊開拓団(香川)→鳥取県大山町(香取開拓団と改名)、引揚者を寄せ集めた長五郎沢開拓民(秋田県山本郡)の4開拓団を取り上げていた。
香取開拓団の団長名を、テロップ見て三好武雄とメモしているのだが、検索すると三好武男のようだ。22日の14時から再放送があるので確認して追記するつもり。
(8/22追記)再放送で確認したが、やはりNHKのテロップが間違っていた。画面に映っていた顕彰碑にも「武男」とあった。