パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

国王に王冠を!

いつも過去のデータを調べるのに活用させて頂いているサンフレッチェダイアリー様(http://seto.way-nifty.com/thisweek/)によると、千葉和彦の獲得が12月15日。

2011/12/16
千葉獲得を発表
サンフレッチェは昨日、新潟のDF千葉和彦選手を完全移籍で獲得した、と発表しました。中国新聞によると、2年契約で年俸は推定2,500万円。千葉は「後ろから攻撃を組み立てるサッカーに魅力を感じ移籍を決めた」と移籍の理由を語っています。

国王こと中島浩司の契約更改が12月28日。

2011/12/29
西川、水本、中島が契約更改
中国新聞によると、昨日西川、水本、中島が来季の契約に合意しました。2年契約の2年目に入る西川は500万円アップの推定年俸4,500万円。水本は現状維持の3,200万円だったのに対して、中島は1,000万円ダウンの1,500万円で1年契約となったそうです。この中で33試合に出場しながら40%ものダウンとなった中島が目を引きますが、クラブは年齢や厳しい経営事情を勘案して大幅ダウンを提示した、とのこと。今季のチームにとって不可欠な存在だったにも関わらずあんまりな気はしますが、同タイプの千葉を獲得した事を考えてドライな判断を下した、と言うことなのかも知れません。

瀬戸氏も書いているように国王の40%減には驚いた。千葉のプレーに詳しくない素人目には、千葉と中島はポジション競うくらいの実力伯仲なんじゃないのか、千葉レギュラー/国王サブの位置付けをはっきりさせた契約はどうなのかと正直思った。ある意味プライドを傷つけるこの契約を国王が飲んだのは、(1)特殊なプレースタイルという自覚があって広島を出たら獲得に手を上げるクラブはないかもしれないという不安(まあ足元見られて消極的に)、(2)広島のサッカーに魅力を感じて移籍してきたし、広島のサッカーが自分に合ってるし、クラブの体質も好きだ(積極的な意志)、(3)移籍してきてからずっとカズのサブだのストヤノフのサブだの言われてきたが、結局怪我人とか出て毎シーズン30試合以上出ているし(実利)、辺りのどこか。
で、シーズンが始まって数カ月もすれば、千葉の獲得が成功だったのは誰の目にも明らかで「千葉さん疑ってすいませんでした。強化部長おみそれしました」状態。と同時に森保監督がミシャほどゆるふわなサッカーを志向してなくて、特に守備に関してはかなり堅くやる事も分かった。今はサブに入っている国王だが、あの独特なセンスで出すパスとか神出鬼没なポジショニングとか森保サッカー的にはどうなんだろう、徐々に鮫島や丸谷(昇格おめでとう!)や西岡にとって代わられてサブにも入らなくなるのでは。更に同時に発生していたのはミシャ浦和とかポポ東京とか湘南とか国王需要がありそうなクラブが増えていた事。半年レンタルなら欲しがる所も結構ありそう。残り少ないサッカー人生を意識して出場機会を求めて移籍するならJ1上位はないだろうけど、あの年齢で何故か夏場に異常に強いし、湘南なら即戦力として迎えてくれるかもしれない。そんな感じで7月くらいに“優勝争いしている中で国王に抜けて欲しくないなあ”という意味を込めて「下世話な話だが国王の契約条件はどうなっているのか?」的な文章を書こうと企んでいたのだが、相変わらず森保監督はサブに国王を入れているし、8月に入って矢継ぎ早に塩谷加入→丸谷レンタル移籍→国王負傷で6週間離脱と続いた処で、移籍はなくなったと判断して文章を消した(ウソ、まだ実際には書いてもなかった)。で、負傷から戻って11月7日の札幌戦からはサブに入るようになり、森保“普通”サッカーをする上でも監督の信頼は厚いようだが…

ミシャ政権の5年半を2006〜2008年と2009〜2011年に分けると、前半は誰もミシャの頭の中が分からなくて試行錯誤していた時期、後半はチームに共通理解が浸透して結果が期待された時期。で、チュンソン獲って、西川・山岸獲って、水本獲って、思った程の結果は出なかった。人件費のせいばかりではないけれど、累積債務が限界まで達した。「選手の言葉を信じてクラブを応援するのって馬鹿らしいよね」とライトファンに思われても仕方ないミスターサンフレッチェを自称する者の行動もあった。などなど、2012年シーズンのサンフレッチェは、(開幕前キャンプでの選手自身の手ごたえはともかくとして)成績下降、年末の選手流出、翌シーズンの観客減少という負のサイクルにはまっててもおかしくなかった。翌シーズンという事でいえば、仮に今シーズン優勝しても、やっぱり高額年俸の主力選手は流出し、一時的でも成績は下降し(そもそも優勝より上はない)、観客は減少するかもしれない。勝っている時だけ来る観客層っていうのは当然あるし。主力が入れ替わってミシャ時代を覚えている選手が少なくなれば、それだけ森保色も強くなるかもしれない。なので個人的には、今シーズンはもちろん森保政権初年度ではあるけれども、神様がくれたミシャサッカーのアディショナルタイムという感覚がある。だからこそ2009〜2011年をともにした国王と栄冠を分かち合いたいと思う。長く苦労をともにした選手達と栄冠を分かち合いたいという事でいえば、もちろん下田や服部だってそうなんだけど、彼らのような長いサンフレッチェの歴史そのものを共有した選手と後期ミシャ限定の歴史は違うじゃん、という話で。2009年にやってきてあっという間にフィットした国王のフニャフニャした感じこそミシャサッカーの象徴なわけで。来シーズン、森保色が強まったら、年俸1500万の30代半ばの控え選手と契約するかは微妙なわけで(丸谷戻ってくるのかな? 意外と主力の流出に備えて再契約もありかも?)

浦和戦で千葉が微妙に不必要なプロフェッショナルファールで警告もらって次節出場停止になって、ここで優勝決定戦に先発出場したら国王持ってるな、と思ったが、ナカノンによるjsgoalプレビューを読むと、千葉の代わりは塩谷らしい。それもまた国王らしい。何にしろこのメンバーで優勝出来たら言う事はない。
国王に王冠を!