消化不良に終わった浦和戦(d.hatena.ne.jp/palop/20050919)の雪辱を果たす気持ち半分、噂のシャムスカサッカーを見る気持ち半分で広島の方へ行ってきた。前者は、新幹線とシャトルバスを使った甲斐あって、試合前の前俊のシュート練習から見ることが出来たし、後者は多分これまで大分と対戦したどこのクラブよりもシャムスカサッカーを堪能することが出来たし、ある意味完璧だったのに悲しいのは何故だろう。
試合内容の方はCSの放送を見てから書くことにして、試合前に行った広島市現代美術館の「転換期の作法〜ポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリーの現代美術」について書いておく。
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広島駅前から路面電車5番線に乗り、比治山下で下車、そこから山の上にある美術館まで登るのがしんどかった。
公式サイトに「すべての映像作品を観るには、約3時間20分の時間が必要です。あらかじめ時間の余裕を持ってご来館ください」とあったので、大体の方向性は読めた。現代美術というのは、やたらと「触ることが出来る」とか「体感出来る」とかそういうのにこだわるらしく、正直、作品だけ展示しても無駄で、製作者と作品がセットでなければ訳が分からない。外国の現代美術だと更に言葉の壁があるわけで、翻訳が付いていない30分のビデオを見せられて「芸術は国境を越える」わけがない。もう展覧会をするときは、ワークショップというかシンポジウムみたいな形にして、作者と最近の現代美術の潮流やら歴史やらを知っているマニアの一部好事家がお互いに質疑応答をするような閉じられた形でないと、現代美術は成り立たないような気がする。
個人的に一番面白かったのは、ジミエフスキー(ポーランド)による「ポーランドからイスラエルに移住したユダヤ人に、記憶に残っているポーランド国歌を歌ってもらう」映像の記録だったが、これも歴史/ドキュメンタリー的関心から好きなだけで、「これを現代美術と言われてもなあ」としか思えない。
パヴェウ・アルトハメル(ポーランド)が両親に日本旅行をプレゼントし、その両親が撮った日本旅行の記録ビデオみたいなのも楽しめた。同じ一角にアルトハメルの業績一覧みたいなのがパネルにして並べてあったが、これがなかなか豊かな発想というか、面白そうな脳味噌をしている感じだった。
若い頃は「金払った分だけは元をとってやろう」という強迫観念に駆られていたが、今はもう「限られた時間内に限られた部分だけ見ることが出来れば、それが天命」という感じに落ち着いたので、サッカー観戦の都合上1時間半で切り上げ。多分、昼飯を食べた後、午後からゆっくり3時間くらいかけて見るのがいいんじゃないかと思う。
ヘトヘトになって辿り着いた最後の部屋でチェコアニメをやっていたのでトルンカの『手』を初めて最後まで見た。抜粋はNHKで放送した川本喜八郎氏のドキュか何かで見た覚えがあるのだが、結構衝撃のオチだった。隣でぶっさいくな幼女も一緒に見ていたのだが、こういうのは子供のトラウマになりそうで心配になる。