パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

『NHKスペシャル』「こうして支局は閉鎖された〜アルジャジーラvsアメリカ」

2004/12/18放送、約50分、取材:吉村寿郎/中村直文/織田省二/黒田浩之/水谷寛、構成:黒柳誠司、制作統括:二村伸/岩堀政則
4月のファルージャ包囲から刑務所での虐待、5月の結婚式爆撃、そして8月のバグダッド支局閉鎖までの米軍とアルジャジーラの攻防をオーソドックスなスタイルで構成。
上っ面をウォッチした限りだが、アルジャジーラの報道はすごく西洋的な価値観に基づいており、アルジャジーラ対米国というのはイスラム教キリスト教という構図で語るよりも、例えば第2次世界大戦時のイギリス対ドイツのような、共通の思想をベースに戦争という実利的な対立が乗っかって、報道機関も否応なく喧嘩に巻き込まれているといった感じだと思う。米軍もアルジャジーラを「イスラム教的価値観に基づく得体の知れない機関」というよりも単に「敵勢力に利するから潰したい機関」という即物的な捉え方をしているはず。
余談になるが、本来この番組は翌19日の『Nスペ』で放送予定だったわけだが、NHK会長を囲む座談会が急遽割り込んだお陰で、土曜日に州兵のドキュメンタリーと2本立てになった。この明らかに別個のチームが制作した2本のドキュメンタリーを、

占領下のイラク、そして主権移譲後のイラクの最前線で一体何が起きていたのか。異なる角度から取材した2本のドキュメンタリーを放送します。
NHKサイトより)

と、単なるアクシデントを「多角的に」と言い張るNHKが素敵過ぎる。まあキーワード辿ってブログ各所を巡回する限り、両方とも見た人が多いようで、結果オーライだ。