パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS1『BSドキュメンタリー』「国際共同制作 大ヨーロッパへの道・衛星放送は変革をどう伝えたか」

2004/5/1放送、60分、構成:トーマス・シュテーラー、プロデューサー:レオポルド・ホッシュ/ユリア・メルヒオ/ロン・アレン、日本語版制作統括:古川潤、国際共同制作:ブロードビューTV、ワイド画面
『スペースブリッジ』は初耳で興味深かった。いろいろ検索してみるに、通信関係の企業・財団が世界各地を衛星中継で結ぶという80年代らしい企画を立て、その第何段目かで「真打ち米ソ間」と相成ったようだ(番組内では1985年末となっていたが、1984年末と説明しているサイトもあり)。
ギュンター・シャボフスキーの記者会見は何度みても笑える。20世紀放送史におけるエポックだろう。記者会見での質疑応答に慣れていない東側の政治家と、会見のやり取りは質問する側/させる側の予測範囲を超える事はない(西側じゃ会見前にペーパー配られたりするし)という経験則を持つため、いきなり有り得ない回答が返ってくると、逆にどう解釈して良いのか分からなくなる西側記者。上司の命令には絶対服従だと思われていたのに、確信を持った市民に「テレビで見たから間違いない」と言われると、指示が来ていないのに国境を開けてしまう検問所の兵士。すべてがテレビ的。
ユーロビジョンコンテストの盛り上がりをみる限り、噂に聞くエストニア人の歌好きは本物だ。
「ヨーロッパ的価値観とロシア的価値観は相容れなく、冷戦時代はヨーロッパの一部がロシアに囚われていた」という正史作りがみえみえ。最近の米国的価値観への反発と合わせると、欧州人は「冷戦は米ソのプロレスで、ヨーロッパを分断するための陰謀だった」という解釈を広めようと企んでいるようだ。