パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

続々・輸入権

長年、中学の先生をしているエリンカおばさんが、紙にうずまってタイプを打っている。となりの奥さんがやってきてたずねた。
「まあ、まあ、なにをタイプしてるの?」
「私はね、娘にきちんとトルストイの『戦争と平和』を読ませたくってね」
「でも、その本なら、いくらでも本屋で買えるじゃないの」
「ところが、娘は地下出版の本しか読もうとしないのよ」
(平井吉夫編『スターリン・ジョーク』より)

自分は一度ソ連型社会に住んでみたかった。というか自分は学校の勉強がそこそこ出来て、権威に弱くて、社会性/コミュニケーション能力が低かったから絶対ソ連型社会の方が暮らしやすかったと思う(あそこはあそこで生活必需品を入手するのにコネというか人間力が必要だったらしいが)。政府公認の作家連盟、音楽家連盟、漫画家連盟、ゲームクリエイター連盟等に所属すれば、一定の給与は支払われるし、官製媒体で発表出来るし、アンケート結果で連載打ち切りもない。一方で、反政府的な題材を取り扱う作家は通常の仕事をしながらこっそり創作し、作品をCD-Rに複製するかマンガ喫茶からupすれば、後は勝手に広まるし、まず削除も不可能。もちろん官製にも良い作品はあるけれど、子供達は「政府公認」印が恥ずかしいから地下版しか手に取らない。そんな社会がもうすぐやってくるかもしれないけど、『笑の大学』みたく検閲をかいくぐって作品が磨かれたりするかも。
話はそれるが、かねてから安く探していたジョージ・マイケル『FAITH』を中古で入手。しかし、当時のCDはみんなそうなのか、15年程で劣化したのか、録音の音量レベルが小さい。ボリューム上げれば済む話だが、他のCDと続けて聞き難いし「どうせならデジタルリマスター盤でも出して欲しいものだ」と思っていたら、ジョージ復活新譜発売記念及びソニーと復縁記念で旧作がまとめて再発されるという。だが日本だけの動きだからかリマスター盤ではなく、しかも定価2520円って何じゃそら。誰が買うのか。どう発想したら、今さら『FAITH』を2520円出して買おうとする人間がいると思うのか、マジで教えて欲しい(こんなこと書いて『FAITH』が1000枚くらい売れてオリコン100位くらいに入っていたらソニーの営業さんに謝罪)。
http://www.sonymusicshop.jp/detail.asp?goods=MHCP000000238