パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

NHK-BS1『ワールドドキュメンタリー』「9・11テロを予言した男(The Man Who Knew)」

3/8放送分、制作:WGBH(2002年)、プロデューサー(構成):マイケル・カーク、編集:スティーブ・オーデル
NHKのサイト
http://www.nhk.or.jp/bs/popup/g_cultu_bs18.html
アメリカン・ジャーナリズムが「適材適所で捜査をしていたら、テロを防げたはずなのに」という思いから当時のイエメン大使とFBI長官を曝し上げる告発物、FBI内の官僚システムという秘密多き組織の内幕物、そして8月にFBIを退職したあと警備責任者として働いていたWTCで死んだジョン・オニールが数年来アルカイダの捜査をしていたという凄い偶然の物語から成る。ドキュメンタリーの内容自体は3つの話がうまく絡み合って抜群に面白いが、テロ話そのものから見れば傍流であるオニールの物語を取り上げたのは、向こうの放送局がドキュメンタリーのネタ切れを起こしているからという気がしないでもない。
犯人の目星が大体ついていたとしても「いつ」「どこで」が正確に分かっていないとテロを事前に防ぐ事は出来ないと思っていたが、実際には事前に逮捕していたケースがあったのが興味深い。10件中9件目まで事前に防いだとしても、10件目で防げなければ、実際に起こったのは1件中1件という事になり、それをマスコミに叩かれる。サッカーのディフェンダーと同じ。(政府レベルの認識では)「いつテロを受けてもおかしくない」という緊張感を、90年代半ばからずっと強いられているとすれば、緊張の糸が切れて予防戦争に出るアメリカの気持ちも分からないではない。