清原和博に見て欲しい映画ランキング第1位。アスリート引退後の燃え尽きについて、俺たちは何も分かっていなかった。真相がよく伝わってこないボルグの破産や自殺未遂の報道について、お騒がせくらいにしかみてなかった。
エンドクレジットのモブキャラにチェコ人名が多いと思ったら撮影地プラハだった。現地調達か。
マッケンロー役の人はアイルランド系というよりはユダヤ系の顔だろうと思って検索したら、合ってた。俺の眼力もなかなか。
監督はドキュメンタリー映画『アルマジロ』の人か。なるほど戦場のような緊張感。ボールを打つ音がやたら大きかったが。心象風景の映像描写が見事なところとか北欧映画を正しく受け継いでいる感じ。
ビタス・ゲルレイティスがひょうきんな奴だったのは伝わった。名前からしてギリシア系かラテン系かと思ってウィキペディアみたらリトアニア系だった。
松岡修造がテニマガに映画の感想を寄せていたが「マッケンローの悪態は計算されたものではなくて、精神科に通うくらいのものだった」のが面白い。どこまで本気でどこまで演技なのかは本人にもわからない境界だろう。アイロニカルな没入やらパフォーマティブやらを想起する。私は90年代の吉本新喜劇のようなお約束化した悪態しか知らないから、登場当初どれくらい本気で憎まれていたのかいまひとつピンとこない。
ロス五輪以前の肥大化してないプロスポーツの描写、個人的に好きなんよね。世界2位でもあのレベルのホテルなのね、みたいな。ドロー128、2週間で7試合というフォーマットがいつ出来上がったのかとか、そういうのが気になるタイプ。イチローや錦織が100年前の記録と比較されているのをみてムキーってなるタイプ。別物やって。
この試合、記憶には残っていないが、むかしWOWOW辺りで見たはず。伝説の試合と分かって見ると当然あまり記憶に残らない。試合前「すげい試合になりそう、楽しみだなあ」「でも案外こういうのって凡戦になったりするよな」の間で気持ちが行ったり来たりするなか、本当にすげえ試合になったのを生中継で目撃した人って楽しかっただろうなあ。うらやましい。
このブログ、ツイートをまとめたように見えてツイートしてないという。
(2018/9/5)書き忘れていたこと追記。端正な顔立ちに騙されていたけど、ボルグは北欧人らしいフィジカル・モンスターだったのね。90年前後からスポーツに興味を持った人間からすると、フィジカルと聞いて浮かぶのはアフリカ系だけど、70年代頃のフィジカルは北欧系やオランダの頑強さ、大型ハンマーで正確に何度も叩きのめすみたいなのがフィジカルだったんだろうなあと思いをはせる。
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