パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

自分の事

せっかくの休日は、DVD-RAMを20枚買ってきてハードディスク内のEUROをせっせと移す作業で過ぎていく。そのさなか、偶然目に入ったWOWOWで昼間に再放送している『コールドケース』とかいう海外ドラマのさわりに惹かれて結局最後まで見てしまった。ハイスクールが舞台の海外ドラマというだけでキュンキュンくるのに、カートの曲が好きだったヒッキーが主人公とか反則過ぎる。エンディングで流れたlandslideはスマッシングパンプキンズVer.とのこと。初めて聞いたが、自分向きのアレンジ/歌唱ではない。
ポルトガル代表のメンバー表を眺めながら「メイレレスなんて姓を読むことは一生ないだろうな」と思っていたら、WOWOWカンヌ映画祭特番でいきなり2人目のメイレレスと遭遇。何という偶然。しかも業界が違えば同じスペルでも読み方が違ったりするもの(メアレレスとかメイレジェスとか最初に日本へ紹介した人が勝手に現地風読みを付けたりしがち)なのに、ウィキペディアによればこの2人はスペルが違う。何という奇跡。それはそうと番組を見た限り、カンヌ関連で一番の注目はやはりマラドーナ×クストリッツァ
基本的にTVドキュメンタリーは二度と見返すことをしないものなので見終わったら削除するのがマイルールだけれど、数週間前に見て少し批判的な感想を書こうと思って寝かせていたTVドキュメンタリーを今日改めて見直したら、ラスト15分間まったく見た覚えがなくて驚愕した。どうやら前回は途中で居眠りしてラストシーンで目が覚めたらしい。その15分を見たら割と納得出来たところもあり、危ういところだった。でもまあ、普通TVドキュメンタリーなんて集中して見るものでもないじゃん、と開き直ってみる。

4/27放送の『ETV特集』「悲劇の島チェジュ(済州)」(ディレクター:大野兼司)を見る。当事者として事件に関わった在日コリアン老女の個人史を軸に据えつつ、史料映像等で大文字の歴史もちゃんと描き、さらに李鳳宇や金石範といった半当事者の証言を挟む事で個人的体験を公的に共有されるべき普遍性へ繋げるという、オーソドックスなTVドキュメンタリーとしては完璧な出来。ドキュメンタリーのディレクターには脚本家としての才能が必要なんだと改めて認識。ウィキペディアの「済州島四・三事件」の項は、かなり軍政時代の韓国政府の正式見解というか反共的。かといって『ETV特集』公式サイトにある「南朝鮮の単独選挙に対し、南北分断につながるものとして抵抗した島民が警察署を襲撃した」という文章も、番組を見ないで単独で読むと意味が分からない(ポルナレフ風に言えば「選挙に抵抗していたら警察署を襲撃していた。何を言ってるかわからねーと思うが〜」)。細かく見ていけば、権力機構が一般人をぶちのめすのにも一般人が警察署を襲撃するのにもそれなりの理由/理屈がある(だからといってその行為を許容するかはまた別問題だが)。1945〜48年の旧東欧史を軽くかじったものとしては、共産主義にシンパシーを感じる地元民による自発的な行動と、指令を受けた共産主義者による工作活動の区別をつけるのは難しいことがよく分かる。共感しているだけで何も行動していない人間を予防的に捕まえるのはよくないし、かといって誰かが確かにやっている破壊活動に手をこまねいているわけにもいかない。統治する占領軍が極悪だったと単純化出来ればむしろ分かりやすいけど、実際はそうでもない場合が多い。李鳳宇氏は「コリアン同士で何故こんな残虐なことが出来たのか分からない」的な事を言っていたが、相手がアカだから右翼も遠慮なく暴力に腕を振るえたのならば分かりやすいけど、実は本土から来た人間の南部人への差別意識が強かったから躊躇わずに出来た所業という見方もある。でも「迫害は差別感情が原因でした」とは当事者だからこそ認められないし、歴史に書き残せない。インテリ指導者層からすれば、理論をめぐって殺したり殺されたりした方がかっこいい。