パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

なでしこリーグ『ベル対マリーゼ』

2008/6/15、桃スタ

今年初めてTシャツ1枚で外出したら、思いのほか寒かった。
1カ月前から「どうか15日だけは休ませてくだされ」とまで言ってシフトの希望を出していた訳は、第一にサブにすら入るかどうか分からないマリーゼの27番(エレガントなプレーヤー)が見たかった、第二になんやかんや毎年購入しているなでしこリーグのパンフを購入する機会が今年はこの日しかなさそうだったから。なんだけど、結局27番はいなかったし、制作する予算もつかなくなったのかパンフも売ってなかった。
久しぶりにスタジアムでサッカーを見たら、試合の見方が分からなくなっていた。お互いそれなりにゴール前でのチャンスを築いているのに、どうもチャンスのように見えない。流れとかリズムとかアクセントが読めない。淡々とボールが行き交っているように見える。細部だと、ベルFW11番とマリーゼDF5番の女子サッカーとは思えないごりごりした競り合いはとても楽しめたんだけど。
まあ原因の一つは1人の選手をずっと見ていたからでもある。ボールを持っていない選手をずっと追いかけられるのもスタジアムで見る楽しみだし。「そういえばマリーゼの9番が日本代表に選ばれていたなあ」と思い出して注目してみると、およそアスリートには見えない体型(まさに柴ちゃんガッタスのような土偶シルエット)をした選手がいた。なんだけど、サッカーインテリジェンスを持っている。基本は左サイドハーフとして攻撃の起点になる。ほとんど右足でボールを扱い、綺麗なサイドチェンジのボールを蹴る視野の広さと技術がある。チームの約束事なのか、中盤で頻繁にポジションを入れ替える。流れの中で流動的にというよりは、リスタートのタイミングで右にいったり、中央にいたり。右にいる時はドリブルとクロスが増える。監督によっては沢山ボールに触れるボランチで起用するかもしれない。それから意外と走れる。味方が持った瞬間、スペースへ30mくらいのフリーランをする。全然貰えなかったけど。代表へ行って「走ったらボールが出てくるんですよ」という感覚を味わってしまったら、高いレベルを求めて移籍しそう。誰に似ているかといえば、グランパスにいた望月っぽい。ベンゲルならFWで起用しそうなところも含めて。或いは家に帰ってからベレーザの弥生選手を思い出した。右のアウトでちょっとオサレなパスを出すところも含めて。60分過ぎたらガス欠になったのか、ランも無くなったし、判断力もパスの精度も落ちてしまった。この辺りはフィジカル面に課題ありなのかもしれないが、クラブ公式サイトのプロフィールを見たら「大のチョコ好き」らしいので、ちょっと不安。
心が乗り切れなかったもう一つの理由として、スタジアムの雰囲気もちょっと変だった。地元美作で毎回2000人以上集めるのに、大都会岡山で1600人というのは何なのか。ファジアーノが盛り上がっている影響で、とりあえず地元チームで盛り上がりたい地元イベント好きっ子が減り、「どれ、面白いサッカーでも見せてもらおうか」というスカした“観客”(自分のその一員だが)が増えたのか。ゴール裏に構えるプレス(カメラマン)もやけに多かったけど、郷土ネタを集めるいつもの地元新聞記者というよりは、五輪に絡んでなのか、わざわざ関東から来たよれよれのフリーランス風が目についた気がする。

この後、19時からサンフレッチェ(スタメンで中盤にカズ浩司高萩柏木青山の“ファブファイブ”を同時起用するという前日の噂が実現しなかったのは残念)対アビスパを見て、早寝早起きしてチェコ対トルコを見なければならないので、今回は軽めに書いて終わる。