パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS1『BS特集』「日本と戦った日系人〜GHQ通訳・苦悩の歳月」

2006/8/14初回放送、95分、撮影:遠藤大、コーディネーター:野口修司、ディレクター:森谷渉、制作統括:古川潤、制作・著作:NHK
戦争中から占領時にかけて、MIS(Military Intelligence Service)で働いた日系人ハリー・フクハラ(Harry Fukuhara)がかつての戦友等を訪ねる話なんだけど、フクハラ氏が他の人から引き出す証言(秘史)が主なのか、他の人から話を聞いていろいろ考えるフクハラ氏が主なのか分からなくて、散漫な内容だったので、個々のエピソードが面白いのは認めても、ドキュメンタリーとしての評価は低くならざるを得ない。フクハラ氏の視点からみた日本やアメリカを素直に順を追って並べれば、それだけで面白い物語になったと思うのだが、どうもディレクター氏が日本史の新事実発掘に色目を使いつつ、「日本の政治家は再軍備を企んでいた!」などと声高に叫びたそうで、フクハラ氏の行動と証言はそのダシに使われているようで感じ悪かった。
余談だが、放送時間が前編50分、後編45分という変則的な放送形態だった。「放送当日に政府の陰謀で5分削られた!」とかいう噂はないのだろうか。10月に再放送があったようだが、その時はどうなっていたのか気になる。