パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS-i『第10節・横浜Fマリノス戦』

2006/4/29放送、実況:佐藤文康 、解説:相馬直樹小倉隆史
BS-iが5月のリーグ戦2試合を放送してくれるので、ほとんど活用していなかったCSのワールドサッカーセットを解約したわけだが、最後に見たのがアーセナルビジャレアルの2nd leg。素人は「アーセナルは0対0でOKなんだから全員DF&MFにしてしまえば良いのに」と考えてしまうが、やはり最前線にアンリのような点を取れる人間がいると相手のプレッシャーになる。

アウェイでビッグクラブと対戦するスペイン下位チームのように、技量の高さよりも90分間集中を切らさない選手を揃え、人数をかけて守り、時機をみてカウンター。全員が心を合わせてゲームの流れを読んで、というのは、ある意味サンフレッチェがもっとも苦手とする分野だが、ハーフナーが投入されるまではそれなりに功を奏していた。結果からみれば「90分間守り倒すことなど出来ねえよ、馬鹿」という話だし、「ずっと守っていると案外リズムが出てくる」という楽観的な見方をするにも無理がある。フリーでクロスを上げられ、フリーでヘディングされる場面もあったし、守備に関しては人数をかけた所でまだまだ甘いというのが率直な感想。まあ「先制点が早過ぎたかも」というのも結果論か。
ハーフタイム中、仮に誰かの足が止まり始めても交代させにくい展開だし、もし、交代があるとすれば、途中から入ってすぐにテンションをマックスに上げられる点で個人的に評価しているハンジェをウェズレイに代えるくらいだろうと予測する。
後半に入って、戸田が早めのチェックをし始めたように映り、「じっくり引いて守るはずなのに」と不安になる。ただ、中盤ぽっかり/サイドから自分の頭を越えてクロスを上げられまくり、になっていたから、戸田が元栓をふさぎに行きたくなるのも分からないでもない。戸田にイエローが出ていなかったら、一誠に代えて八田だったのだろうか。最後はずいぶんへばっていた一誠だが、あの位置の選手を代えるのもまた難しい。この戦い方だとベットより一誠の方が向いてそうだが、次節の選手起用も難しい。
ハーフナーが出て来たら、当然八田の投入を予想するわけだが、正直このテンションの中へ途中から入っていくのは難しい。高さで負けようとも同じメンバーで臨機応変に対応した方が集中力も続きそう。下手すると昨シーズンの池田みたいな運命かも。と思ったら、意外とオーソドックスに八田を投入してきた。後知恵でいうわけではないのだが、八田投入時に「ハーフナーには小村をマンツーマンで付けるべきではないか」と思った。脅威の電柱に対して身体能力で対抗しても無理がある。跳ぶ前に引っ張るとか、レフェリーの見えない所で腹に肘打ちとか、そういうベテランの経験でつぶすべき。
厳しい事をいうようだが、2失点目は浩司がクロスを上げた選手に最後まで付いていって欲しかった。もちろん、後ろから追い掛けても間に合わなかったかもしれないし、より近い選手(恐らく一誠?)がいたという判断かもしれないし、味方が奪った瞬間からカウンターの起点となるために敢えて前線に残るという判断かもしれないし、正解はない。けれども、投入された時、既に残り時間はたった5分、全力で追い掛けて、マイボールにして、それから全力で駆け上がって…、それなら同点のまま終わっても諦めがつくというものではなかろうか。あのワンプレーを見た監督が「どんなに技術があって、どんなに体調が良くても、本番では使えない」という判断を下しても、それもまた一つの結論。
アウェイでこういう戦い方をするのに障害は少ないけれど、問題はホームでもここまで開き直れるか。「サポ以外のいわゆる観衆がゼロになってもJ2には落ちない」という意思を突き通せるか。どうやら今シーズンは上位が勝ち点を稼いで、下位は低レベルで団子になる海外リーグ風になりそうなので、最後まで諦めない事が肝心。C大阪、京都、福岡辺りと競り合って下から3番目を目指す。そう考えて思い浮かぶのは、3点差で負けていながら得失点差を考えて攻めさせなかった名将ピッコリ。劇薬としてサンフレッチェに来たら面白い化学反応が生まれそうだが、ブラジル人助っ人との相性も含めてチーム分解の恐れも多々あり。もう分解しているからドンと行こう。今ピッコリはどこにいるのかと思えば、ラシンという母国のクラブで、シメオネ監督の副官をしているようだ。