パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS1『第8節・ジュビロ磐田戦』

2006/4/16放送、実況:曽根優 、解説:木村和司
前座の前座として、今さらのようにCS『ユヴェントスアーセナル』を見る。といっても、レーマンネドヴェドを怒鳴りつけた場面が見たかっただけなので流し見だが、今頃になってロビコバがユヴェントスにいる事に気が付いた。ワールドカップを見ても最近の潮流に疎いから楽しみも半減。

前座として、NHK-BSでの初回放送時はスルーしたヴェルディのドキュメンタリーを再放送で見る。TVドキュメンタリー大好きっ子の自分だが、スポーツドキュメンタリーは好きではない。何故、好きではないのかというと、わずか50分間で「怠け→屈辱の結果→努力→成果」という成長物語を表現するのには無理があると思っているから。スポーツ選手としての成熟と人間的成長は一致しない。1週間前に流した悔し涙も忘れてパチンコに耽ってしまうのが人間であり、練習中に突然何らかのテクニックのコツを習得出来てしまうのがスポーツなのだが、ドキュメンタリーはその乖離を許さない面がある。たとえば高木義成が丸坊主にしてくるシーンだが、そのシーンまでに視聴者へ与えられた情報では、高木が普段からオシャレな人間かどうかは判断出来ない。単に気分転換で髪を切るタイプかもしれない。たとえば、練習がオフの日に高木へ密着し、繁華街で服やら装飾品やらを必死で選んでいる日常まで撮した上で、丸坊主シーンがくれば、スポーツドキュメンタリーとして必要かどうかはともかく、まだ物語として納得は出来る。それもなく「5失点→丸坊主→好試合」という単線の物語を見せられても薄っぺらさしか感じられず、その結果、真実は細部にしか宿らなくなるので「都並のフェイントつえー」くらいの感想しか出て来ないことになる。その点で、スポーツを物語ではなく点でとらえ、証言と映像での再現しか行わないCS『アンチクライマックス』は潔いし、NHK-BS1で何本か放送されている『歴史を変えたワールドカップ』シリーズはとても面白いのでマジお薦め。

昔テレ東系で放送されていたアメリカ製ドラマ『俺がハマーだ!』では、主役のハマー刑事が問題を起こす度に、上司のトランク署長が持病の偏頭痛に悩まされていた。そんな記憶が甦ってくると、段々とベットがトランク署長に見えてくる、…わけではない。
鈴木秀人にベットを、向こうの服部にハンジェを付けてみると、見事に裏目。ハンジェは存在感なく浮遊しているし、元々浮遊しているベットはSB服部の助けとならず。ベットと一誠が後ろ気味、浩司とクワダが前目になってからの方がバランス良くなったかもしれないが、効果的だったかは微妙。ベットは眼鏡をかけたら生まれ変わったりして。
西河と一誠はパスの精度が低い。最近の駒野は右足でクロスを上げられない。クワダは45分の中でも集中力が切れている場面があるっぽい。クワダが先発向き、ハンジェが途中投入向きという気もしないではないが、それは敵との相性とか試合展開と密接な関係があるから単純に比較は出来ない。
中盤が台形だろうがダイアモンドだろうがフラットだろうが関係なく、とりあえず球際厳しくしっかりと守りから入りたいのならば、ベットを外してもっと杓子定規な選手を入れるべきかもしれない。しかし「失った自信を取り戻すためにはまず勝ち星を」と慎重に入るくらいならば、いっそ破れかぶれで失点覚悟の2バック気味にして中盤に人数をかけ、過去数年と比して考えると充分ストロングポイントと呼べるようになったFWを活かせるサッカーをした方が、壁を破った時の爽快感もありそう。ボールを奪われたら自陣に向かってディフェンスに走る。後追いディフェンスは疲労も倍だろうけど、一生懸命走る。それで60分で全員の足が止まったら、残り30分はたとえ0対0の場面でもドン引きの亀で良いじゃないか。びくびくと試合に入って人数が足りているのに、ふわふわと失点するより余程良いじゃないか。