パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS1『BS特集』「ダボス 対話で探る繁栄への道」

2006/3/4再放送(2/10初回放送)、50分、ナビゲーター:今井義典NHK解説主幹)、スタッフロールは無し
初回放送を見逃した後、NHK-BS1は五輪特別編成のため再放送はないかと思ったが、今頃になって何とか捕獲に成功。放送前の仮タイトルは「ダボス会議ハマス衝撃」で、実際の番組内容も中東関係が30分、中国・インド関係10分、日本関係10分の配分だったが、放送時のタイトルは地域を限定せず、少し穏当なものへと変更されたらしい。
会議風景をおさめた映像には関心がないのでスルーして、NHKが独自にインタビューした素材は、中東関係についてジハード・カザン(アルハヤト紙編集長)、中印関係についてスティーブン・ローチ(モルガン・スタンレー証券エコノミスト)、日本関係についてマーティン・ウルフ(英フィナンシャル・タイムス紙編集主幹)。

ところで自分は「毎年NHKが日本での注目度が低いダボス会議を取材した特別番組を作るのは、単に藤澤秀敏氏(現NHKアメリカ総局長)がダボス会議大好きっ子だから」説を唱えているわけだが、その藤澤氏がとうとう会議を取材する側からパネルディスカッションの司会側に回り、会議の公式サイトにもプロフィールが掲載されている。フジサワンつえー。
http://www.weforum.org/site/knowledgenavigator.nsf/Content/Fujisawa%20Hidetoshi
分科会のタイトルは“The Quiet Revolution of Junichiro KOIZUMI”だから、直訳すると「小泉純一郎の静かなる革命」だろうけど、総務省のプレスリリースで「小泉首相の静かな革命」になっているので、メディア各紙の報道でもそれに倣っている。分科会のサマリーは以下の通り。
http://www.weforum.org/site/knowledgenavigator.nsf/Content/_S15709
パネリストのほとんどは小泉改革のお仲間達みたいだし、ディスカッションの中身も「“官から民”サイコー」と自画自賛なわけで、政府にはこういうのこそノーカットでNHKに放送するよう圧力をかけるくらいのファイティングスピリットをみせて欲しいところ。一応国際会議の中立報道という体裁をとれば「政府の広報」と叩かれることもなかろう。

余談だが、総務省のプレスリリースに掲載されている分科会のスペシャルゲスト山井教雄氏の表記は全くの当て字。官公庁のプレスリリースを丸移しして売るインチキ商売で生活している身としては、こういう間違いは死活問題なので、総務省の中の人には猛省を促したい。
http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/060130_4.html
山井氏による「ダボス会議の余話」も発見。
http://eco.goo.ne.jp/food/slowfood/danwa/danwa29.html
検索する限り、どうやら山井氏はスローフードなアサヒ系文化人らしく、パネリストの中で1人浮いていたっぽい。過去に台湾の政治家暗殺未遂事件を巡ってデンマークの新聞も真っ青な漫画禍を起こした人らしいが、よくは知らない。それはともかく、ネット評では多くの人が山井作品を「風刺漫画のくせにセンスねー」「とにかく面白くない漫画家」としているのでやや気の毒になったが、逆にそれが欧州では評価される要素という可能性もある。