パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

流し見た番組の感想を適当に

  • 2006/2/1再放送の『Nスペ』「シリーズ・同時3点ドキュメント〜第2回・移民漂流 10日間の記録」(ディレクター:井手真也/古澤敦/松本卓臣)は、なかなか斬新な手法で面白かった。事前に3箇所それぞれの主役を選び、それに合わせて大まかなストーリーも決めているのだろうけど、それでも実際に起こった展開によっては軌道修正もしないといけないだろうし、チャレンジ精神を買いたい。とはいえ、正直言うと途中までは「ドイツに行きたがっているイスラエル人男性のみに絞っても50分の物語は作れるんじゃない? まず斬新な形式ありきで、本当にその形式に合った題材を選んだのかい?」という疑いの目で見ていた。「これでドイツの失業者がエチオピアで就職したら移民の循環が完成するな。でもそれだったら時系列までメビウスってる『ビフォア・ザ・レイン』の方が面白いな」なんて、展開をネタ風味で考えてもいた。しかし、自爆テロの起こった場所をエチオピア移民が掃除しているシーンが入ったことで、自分が想像していない方向から見事に深みが出た。素直に賞賛。余談だが、国連の「日本には労働力を確保するため大量の移民が必要」という報告書は、「知的労働は原日本人、単純労働は移民にさせる」といういかにもヨーロッパ人らしい傲慢な発想から生まれたものだろう。日本は原日本人の若者を単純低賃金労働でこき使うという技を編み出しましたから、移民労働力は必要ありません!
  • 2006/2/2放送のNHK総合『探偵ロマン 世界遺産』「アドリア海の真珠 自由の輝き〜クロアチア・ドゥブロブニク」(ディレクター:鎌倉英也)は、そのまま使用すれば最高級になる歴史的素材を、「自由とは?」「民主主義とは?」みたいな現代の日本にひきつけた教訓話にして台無し。15〜16世紀頃の立派なお話から中盤をすっとばして1990年代にくっつけちゃう歴史感覚が無神経に映る。「中世から脈々と受け継がれたドゥブロブニク的価値観は最高!」からスタートしている以上、ドゥブロブニクを攻撃するもの=悪者にならざるを得ない。その視野の狭さが虚しい。眼下の光景が最高っぽい「スルジ山」で検索したら、結構日本人の旅行記がヒットする。
  • 2006/2/1放送の『BS世界のドキュメンタリー』「イラク人収容者虐待〜問われる米国政府の責任」と、2006/2/2放送の『BS世界のドキュメンタリー』「革命ドットコム〜旧ソ連民主化を実現したアメリカの新戦略」の両方にジョン・マケインが登場する。前者には虐待を伴う尋問を容認したラムズフェルドを詰問する良識ある人物として、後者では反体制派が使用する印刷所の電気を止めたキルギスタンの大臣を詰問する内政干渉者として。どちらもアメリカ風民主主義を輸出するという立場から一貫している。
  • 2006/2/3放送の『BS世界のドキュメンタリー』「ポーランド 民主化交渉の舞台裏〜「連帯」対旧政権」は、とにかく連帯側も政権側もキャラが立っているので単純に物語として楽しめる。以前からヤルゼルスキは誰かに雰囲気が似ていると思っていたが、どうやら井上陽水だった。