パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS1『BS特集』「崩れゆく“アメリカ神話”〜ハリケーン被災地 その後」

2006/1/18初回放送、50分、レポーター&スタジオゲスト:藤原帰一東京大学教授)、スタジオ進行:石川好(作家)、撮影:佐藤努、コーディネーター:曽野知雄、ディレクター:清水芳雄、制作統括:鳥本秀昭/国友充範、共同制作:NHK情報ネットワーク、制作・著作:NHK
藤原氏が現地レポートするということで「またブッシュ叩きか!」と思い、実際、途中までは「戻ってきて復興に尽力している白人とか富裕層になれたが故にアイデンティティの維持に苦労しているアフリカ系とかにも取材しろよ」と思いながら見ていたが、スタジオトークで「黒人は堤防をわざと壊したと思っている」という都市伝説の話をし始めた辺りから「見せかけの中立を保つより、とことん弱者に寄り添うぞ」という制作者の熱いハートが感じられたので、その後は納得して楽しめた。
ブラックパンサーやらネイション・オブ・イスラムという単語をリアルタイムで知っている石川氏(1947年生まれ)と、いかにも勉強家の藤原氏(1956年)は共感し合うものがあるようで、緩いトークをさせるとなかなか絶妙なコンビになりそうな予感があった。続編希望。

藤原氏について検索している途中、最近NHKで活躍し始めている加瀬みき氏がNHKでの収録について書いている文章を発見した。なかなか面白いので紹介。NHKの場合、討論というよりは出演者が論文等で言った内容の再現VTRと思えば良いのだろう。
http://www.wjwn.org/views/05spring/kase_nhk.html

さらに余談だが、NHK総合21時台のニュースキャスターが柳澤秀夫解説委員になるということで、噂通りNHKは左派が主導権を握ったのだろうか。別に「左派」という単語に否定的な意味合いはないし、調査報道とかドキュメンタリーに力を入れてくれるのではないかと期待している。また、柳澤氏曰くプロンプターは使用しない意気込みらしいが、自民党べったりの政治部が書いた原稿を本番中にざっと目を通しては無視し、勝手に自分の言葉で締める柳澤氏…なんて事態になると、ニュースエンターテイメントとして神番組に化けるかもしれない。