パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

コンサート「3人娘AGAIN!」へ行く

2005/10/19、岡山シンフォニーホール
正式なタイトルは「3人娘AGAIN! 伊東ゆかり中尾ミエ・園まり DREAM CONCERT TOUR 2005」。ハロプロも真っ青な平日昼夜2回公演のうち夜の部を観る。18時開演の20時終演という団塊世代にも優しいタイムスケジュールだが、17時半まで仕事がある身としては、もう少し開演を遅くしてもらいたかった。
今年初め、3人娘再結成ツアーのニュースがネットで流れた時、ハロプロの未来を占うつもりで見に行こうと企み、3人のうちの誰だかのサイトを継続的にチェックしていたのだが、今年前半は京阪神と九州辺りを回るらしく、段々と京都辺りまで遠征する気まで起こしていたら、8月頃に今年後半の日程が明らかになり、その中に岡山が入っていたので小躍りした。値段はS席7500円、A席5500円ということで、街のチケットショップへ行ってA席を買おうと思ったら、「S席しかない」と言うのでそこで買うのは止め、後日他のプレイガイドへ行こうと思いつつも暇が無く、思案しているところに、近所のスーパーで「当日この券を受付に見せると2000円で入れます」という特別優待券を発見。ダンピングにも程がある。これだと正規の値段で買った人が(3人娘のことを)好きすぎてバカみたいだ。
当日の客の入りは1階が7割、2階が3割で、計500〜1000人くらいか。客層はおばはん8割、おっさん2割。30歳代の若者は自分以外には見かけなかった。
(以下ネタバレあり。曲名・人名等に関しては知らないものが多いので、聞き取り間違い/表記間違いも多々あるはずだが御容赦を)

1曲目の歌詞には「ゆかり」「みーえ」「まーり」と『かしまし』並みに名前が入っている。これで伊東と園の区別が付いたので、初心者には有り難い。更に2曲目の歌詞には「3人娘が〜」と入っている。再結成用の書き下ろし新曲だろうか。
MCが入る。立ち位置は大体いつもセンターが中尾、客席から見て左が伊東、右が園。衣装は全員赤ピンク系のドレス。基本的には伊東が冷静に進行、中尾が頓知で切り返し、園はあまりしゃべらない。
続いて全員のソロヒット曲を1曲ずつ。伊東が『小指の想い出』、園が『逢いたくて逢いたくて』、中尾が『恋人よ〜』(?)。その間、他の2人は舞台に残って少し下がり、曲のサビではコーラスを担当。
再びMC。誰だかの「このままずっとソロでヒット曲を歌いましょうよ」という台詞は「実はヒット曲がそれぞれ最初に唄った1曲しかない」という自虐ネタだったのかもしれないが、同時代を知らない自分には分からなかった。全般的にMCは漫談というか、綾小路某風味で、おばちゃん達に大受け。
続いてバックバンドを紹介。鍵盤系が2人、弦系が3人、ドラム1人、ホーン隊5人の11人編成。その流れで3人娘がノリの良い曲を歌いながら、弦とホーンが前に出てきて、『ドリフ大爆笑』のオープニングみたいな小粋なステップを踏む。その後も、演奏パートが無い隙をみては、ホーン隊は立ち上がって左右にノリながら手拍子とか、ノリが今一つよく分からない。
続いて、安井かずみという亡くなった作詞家のメドレー。50〜60年代洋楽ポップスに邦訳詞をつけたりしていた人らしい。「ナベプロの歌手はみんな世話になった」とか言っていた。
続いてデュエット(カップリング)コーナー。まず中尾が退場し、「ゆかまり」でフォークとカンツォーネを2曲。MCでは、その場にいない中尾のことを「あの怖いおばさんが〜」とか陰口を言う設定。
伊東が消えて園が戻り、「まりみえ」でコント&ミュージカル。その場にいない伊東を「性格が暗くてケチで幸が薄い」と笑い、伊東の再婚式にスピーチを頼まれたという設定の小芝居で『恋のフーガ』を歌う。音楽のバックボーンが一番遠い2人の組み合わせだからネタに走るしかない苦肉の策と思われる。
園が消えて伊東が戻り、「ゆかみえ」で英語詞のポップスを2曲。中尾の憧れはドリス・デイ、伊東の憧れはパッツィ・クライン(?)らしい。デビュー当時は一緒に下宿したりで、音楽趣味的にも性格的にも一番近しい組み合わせか。MCは、その場にいない園のことを「穴蔵から出てきた〜」などと陰口を言う設定。どうやら園はずっと休業・引退・引き籠もり状態だったらしい。
続いてソロコーナー。「ゆかみえ」に入れ替わり、園が衣装を和服に着替えて登場。ソロ曲『夢は夜ひらく』『蛾』を歌う。ムード歌謡といった雰囲気で、ポップス好きとしては歌唱スタイルにやや違和感を持つ。
伊東が白青っぽいドレスに着替えて登場。ソロ曲『百万本のバラ』と、小椋圭作詞作曲の新曲『あなたのもの』を歌う。園が歌い上げ系の巧さだとしたら、伊東はポップスセンス抜群。「11歳でデビューし天才少女と呼ばれた」のも分かる。松浦亜弥的というか。だから正直『百万本のバラ』とか『あなたのもの』等のバラードは、もちろん上手いんだけど、本人の資質には合っていないと思った。年齢的にアイドルポップが出来ないのは当たり前だけど、もう少し洋楽的・翻訳的ソングでも良いはず。
中尾も衣装替えして2曲。1つは最新アルバムに収録されている『愛のために』(?)とかいうの。もう1つはライザ・ミネリの『ステッピン・アウト』を邦訳詞で。2曲目を歌っている途中に、上から吊られた帽子とステッキが降りてきて、衣装を脱ぐと、その下にもキンキラキンの格好をしていて、『シカゴ』のキャスリンゼタ&レニーみたいなことになっている。そのうちに色違いの同じキンキラキンの格好をした伊東と園も登場し、3人で歌う。
締めのMCでは「いよいよ最後に近づきましたが〜」といってから、3人で懐かしのヒットメドレー。『バケーション』とか『夢みるシャンソン人形』とか。中尾はお約束で『可愛いベイビー』も歌ってくれる。歌い飽きたかもしれないが。定番をきちっとこなすのは流石。この辺、すげー楽しかった。
最後に観客へお礼のMCをして『スターティング・オーバー・アゲイン』を歌って幕。拍手が続くと、再び幕があいてもう1曲。これで本当の終了。

本人達としては新曲歌って新アルバムの宣伝もしたいところだけど、お客さんのほとんどは青春時代に聴いた懐メロを楽しみにして来ているはず。この辺のギャップが難しい。しかし「誰も知らない最新アルバムから歌われても困るだろうに」と思う場面でも、実際は、客がどの曲でも楽しそうに聴いていた。基本として歌が上手いというのは得というか、大切なことだ。
イメージを未来のハロプロに置き換えると、生真面目に司会進行するサムい年下キャラ・伊東=石川、客席弄りもお手の物な姉御キャラ・中尾=中澤。機転は利かないけれど存在自体が面白い弄られタイプの実力派・園=保田、といった感じか。この3人ならば、それほどよそよそしくもなく懐古コンサートをやっても、結構いけるんじゃないかと思うが、ただ石川さんの歌が最大の不安要素。60歳くらいであの声だったら、それはそれで面白いと思うが。キャラと歌唱力ならば、松浦・中澤・加護という関西トリオも結構いけそうだけど、それぞれにプライドとかもあるから無理だろうか。何十年も経ったら「誰が売れていた」とか「誰が年上」とか、あまり気にしなくなってそうな気もするが、案外、見に来たヲタ老人どもが、ものすごい序列にこだわったりして。

それはともかく「3人娘AGAIN!」コンサートは、ガールポップとか洋楽風ポップが好きな人ならば、行って損はしないと思う。来年もやっているみたいなので是非。