パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS1『BSドキュメンタリー』「アフガニスタン・“民主化”選挙の1か月」

2005/11/3再放送(10/22初回放送)、50分、撮影:矢吹啓司、ディレクター:荒井俊之、プロデューサー:丸山雄也、制作統括:鳥本秀昭/林新、共同制作:NHK情報ネットワーク、制作・著作:NHK/駿
リアルタイムな鮮度が命の、報道の延長線上にある地道なルポ。深みはないものの大変勉強になる。個人的には「下院○議席、州議会△議席、あわせて×人の立候補者が争う」という言い回しの意図がよく分からなかった。ダブルに立候補登録して、結果に合わせてどちらかを選択出来るとか、そんな選挙制度だったのだろうか。密着していた候補者3人もどっちに出ていたのか、今一つ分かりにくかった。「軍閥の親分なんだから、当然国政に出るよなあ」「いや、意外に州議になって地元を固めたいのかもよ」なんて会話を一人でしながら見た。まあ、徴税の仕方とか、予算の組み方とか、そういう部分が不明なので、当然、議員の役割とか、国会議員と州議会議員の役割分担とか、そんなのもよく分からない。
報道やドキュメンタリーが非日常的な「事件」を追うのが仕事なのは当然としても、たとえば「コートジボアールの高級官僚の1年を追う」みたいな感じで、いわゆる発展途上国と呼ばれる国の国家予算の全数字を解剖するとか、国会での予算審議から役所の予算執行までを1年間かけて追うような「日常」を分析した報道番組を見てみたい。ドキュメンタリー界における「日常」というのは、大抵、貧しい庶民だったり、国家に見捨てられた不幸な人を掬い上げるようなネタが多数を占めている印象があり、それはそれで大事なことだけれど、たまには「1周回って逆にアリちゃうん?」みたいな企画があってもよかろう。