パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS1「第25節・アルビレックス新潟戦」

2005/9/22放送、主審:松尾一、実況:吉松欣史、解説:加茂周
新潟及び広島に思い入れのある人にとっては手に汗握る接戦だが、たまたまテレビをつけた一般人が楽しむ娯楽コンテンツとしては正直弱かった。トラップ1つ、サイドチェンジ1つでも素人を「オッ」と思わせるプレーがあまりない。球際もいつもよりやや弱い。良くも悪くもよく訓練された中位対決という感じは否めなかった。戦闘力で劣っても総合力で勝負になるのがサッカーの良いところではあるのだけれど。
明らかに90分もたない選手を先発に2人いれていたところに駒野が足を痛めたみたいで、前半で1点とっていなかったら、後半からどうアクセルを踏むか難しいところだったと思う。前半で警告を1枚もらったので早めに前俊を替える可能性もあるとは思ったが、まさか後半最初からガウボンとは思い切りが良い。
試合当日に放送を見ても、あまり触れる事がないので、久々に脳内ストーリーでも書こうと下準備をしていたが、1週間ダラダラしている内にもう次の試合が迫っているので、相変わらず中途半端なネタでお茶を濁す事にする。それにしても、選手の試合別成績とか便利なサイトがないようで、調べるだけで疲れた。

(以下は妄想)
自分が見たところ、ガウボンは懐の深いへんてこな持ち方でキープが出来るし、ドリブルも2人くらいはかわせるが無駄に持って3人目で止められるタイプ、左足でのシュートには自分の型を持っているし、単純な高さ(187センチ)もある。滅多に蹴らないがキヤノンFKもある。贔屓目に見ても、ワシントンくらいの能力は持っている。
しかし、どうも体を張ったポストプレーは嫌いだし、味方を生かす第3の動きなんかも得意ではない。もちろん前線からの守備なんてもってのほか。「ブラジルのFWってのは、ゴール前でウロウロしながら、最終的にゴールを決めればいいんだよ」というタイプ。年代別セレソンに選ばれた実績も頷ける才能だが、スイスのクラブに移籍したものの1年でブラジルに戻ったのも頷ける。広島のようなチーム力で戦うクラブでは使いにくいというか、監督の腕が試される選手である。
恐らくキャンプ時のガウボンはざっとライバル達を見渡して「モギは臆病で監督の信頼を得てないようだ。マエダはスタミナがないし、ヒサトはテクニックがない。タムラは特徴がないし、ジョルジュはスピードだけで経験がない。モリッツァは俺の兄貴そっくりだな。俺様を脅かすような選手はいないようだ」くらいの気持ちだったと思われる。実際、キャンプ期間中はゴール量産していたし、寿人は紅白戦でもノーゴール病だった。そんなこんなでシーズンに突入。

3月*5日・清水:90分
3月12日・F東:89分out
4月*2日・名古:90分
4月*9日・鹿島:ベンチ外

開幕当初は3トップだったが、あまり機能していたとは言い難い。その中でガウボンは不動のエース、残り2人枠を5人くらいで争う状況だったが、4試合目にして「リフレッシュ休暇」と称してベンチからも外され、代わりにジョルジーニョが初先発、鹿島戦は結構内容の良い試合だった。これを見たガウボン、傍目から分かるほど目の色を変えて練習に取り組むようになり、次節には先発復帰して初ゴール、チームも2トップに変更して初勝利で、ガウボンに追い風が吹いてくる。

4月13日・東ヴ:90分(1goal)
4月16日・神戸:89分out
4月23日・川崎:90分(1goal)
4月28日・C大:78分out(1goal)
5月*1日・新潟:82分out(1goal)
5月*4日・千葉:35分in
5月*8日・Fマ:90分
5月14日・大宮:90分

2トップへ変更した当初は、前俊や茂木と組む事もあったが、新潟戦以降ガウボンと寿人の2トップでほぼ固定される。千葉戦は、出場停止のベットに代わってジョルジーニョを先発させ、ガウボンはベンチスタート。しかしジョルジーニョがあまり機能しなかったため、前半からガウボン投入。続く2試合でも寿人と2トップを組み、チームの基本形が固まる。この頃は、寿人に代わって前俊が入るなど、ガウボンを軸にする体制は変わらず。
ガウボンはこの後、ナビスコ杯で骨折し、戦線離脱したものの、リーグ戦再開には何とか間に合わす。大分戦では交代で入り、ロスタイムに値千金の決勝ゴールを上げるものの、この頃から攻めの軸が寿人になりつつあり、ガウボンはその前の潰れ役としてゴールも遠ざかり、本来怠け者ゴールゲッターであるガウボンとしては不満が溜まる。一方、クラブとしては前線からのプレッシャーが生命線のチームなので、役割を全うしたくない選手は使いにくい。

7月*2日・柏レ:72分in
7月*6日・G大:51分out
7月10日・大分:64分in(1goal)
7月13日・磐田:77分out
7月18日・浦和:55分in
7月23日・東ヴ:72分out(佐藤と2トップ)

早いプレスで知られる浦和を相手に、小野監督はベット/ガウボン/ジョルジュをベンチに置き、寿人/浩司/大木の変則3トップを試みるが全く機能せず。この結果、監督はガウボンに「結局俺様がいないと攻撃の形にならないんだろ」と足元を見られるようになった気がする。ここは賭けに出た小野剛の負け。続くヴェルディ戦から先発に復帰し、以後浦和戦までずっと先発。

8月20日・鹿島:76分out(警告1枚)
8月24日・大宮:90分(1goal)
8月27日・川崎:87分out
9月*3日・千葉:75分out(1goal&この試合は前線からものすごくプレスかけてた)
9月10日・G大:77分out(1goal)
9月18日・浦和:73分out
9月25日・新潟:45分in

このところの試合では、75分前後を目安に、寿人を残し、ガウボンに代わって前俊ほか、という形が続く。テレビでみているとガウボンの足は後半15分位で完全に止っているのだけど、プレスで全力を出し切ったというよりは、単に休んでいるように見える。本人の中では「FWは90分の中でなんぼのもの。途中で体力温存する場面もあるわい」と思ってそうで、一方の監督は「ガス欠だから代えねば」或いは「またサボりやがって」辺りかもしれない。とにかく「途中で潰れてもいいから、試合中はボールを追い続けろ」という監督の考えにマッチしてなかったのは確か。
というわけで、この新潟戦は恐らく三度目の懲罰的ベンチスタート。これで前半無得点だったら、またガウボンが心理的優位に立つところだったけど、前俊がゴールを決めたので、この賭けは小野剛の勝ち。次節以降、手持ちがカードが増えた。後半、前俊に代わったガウボンだが、笑っちゃうくらい前線からボール追っかけていた。分かりやすい。実をいえば、ガウボンに対して「まだ骨折が完全に癒えてないのに精一杯頑張っている」とか「慣れていない日本の夏でコンディション崩しているのに精一杯頑張っている」という気持ちも少しあったのだが、新潟戦を見る限り、めっちゃ元気なのに出し惜しみしていたとしか思えなくなった。
さて、今日の名古屋戦、小野監督はどう出るか。そしてガウボンには、いつの日かセレソンに選ばれて「日本で成長しました」と言って欲しい。