パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

「玉野光南対サンフレッチェ広島FCユース」

2005/4/9、倉敷陸上競技
最初に内容とはあまり関係ない話題。2対0広島リードの状況で、平繁が交代で退く際、或いは残り5分頃に福本がCKを蹴りに向かう際、チンタラ歩いていると主審に「急げ」と促されたわけだが、どうも促すというよりも教育的指導・叱責のように見えたのは自分の偏見か。例えばアルディレスのようにチームの方針として「つまらん時間稼ぎはするな」というのであれば、それも一つの見識だが、「高校生らしくきびきびとするべき」みたいな価値判断を主審がするのはどうなのだろうか。世界を目指すプロ予備軍と教育的部活動、そんな文明の衝突。「ピッチ外で礼儀正しくあれば、ピッチ内では多少やんちゃでも構わない」というのが広島ユースの方針だろうと思うが、いい加減シャツの裾はパンツの中に入れた方が良い気がする。これはルールブックに禁止事項として載っているはずだから。
開始から20分遅刻したので、内容についてはあまり触れられない。
ともに4-3-3(4-2-1-3)で、光南もひるまず攻撃に出てくるのでかなり面白い試合だった。とはいえ、光南は中盤の出し手にプレッシャーを掛け切れていないのにライン上げ上げだから、広島の俊足FWが裏取りまくり。広島は前半見ただけでもGKとの1対1を3本くらい外す。同年代だし、両チームに運動能力も技術もそう差はないようだけど、広島選手の方が判断が少しずつ早いために、3本くらいパスが繋がるとゴール前でフリーの選手が生まれる。
広島の印象は、一昨年のパスサッカーをするチームに似ている。もちろん1対1はドリブル勝負が基本だが、数的優位を作る努力は去年よりしているようだ。
気になった選手その1は古本(9番)。体は大きくないけど、恐ろしく速かった。川崎に行った西山っぽいか。
気になった選手その2は福本(8番)。玉野出身らしく、知り合いが沢山応援に来ていたし、試合後、光南の監督他関係者に挨拶していた。プレーは磐田の福西っぽい。
気になった選手その3は槇野(3番)。毎試合、自分で「簡単にクリアしない」とか「適当なフィードをしない」とか課題を設定しているのだろう、余裕を持って楽な選択を出来る場面でも無理を通そうとしている感じがした。残り15分はセットプレーになると上がって、ゴール狙いまくり。
気になった選手その4は平繁(10番)。面白いボールの持ち方をする。ボディバランスと創造性が同居しているというか、さっきたまたま見た過去のスペインダービー映像にあった、ロマーリオがわざと大きく前にトラップしてDFを置き去りにし、次のタッチでゴールに流し込んだああいうプレーが出来そうな感じ。交代でロッカールームに引き上げる際、タイミングが重なった國田とぼそぼそと二言三言話してた。
恐らく玉野光南の目標が、県内のトーナメントを勝ち抜くと同時に全国大会では少し総合力で負ける相手にあの手この手を使って勝つ事が出来るチームになることであると考えれば、今日は良いレッスン。県内屈指のFWであろう三島と國田がほとんど何もさせてもらえなかったとはいえ、中盤で奪ってからフィニッシュまでの流れは魅力的だった。3トップの後ろにいた18番西村は、パンフによれば、エスパルスのジュニアユース出身のようだ。チーム1でかく、FKも蹴ってバラックみたいだった。2年生でレギュラーなんだから期待されているのだろう。

15時からテレビで『広島×鹿島』を見なければならないので、第2試合の「作陽×米子北」は前半のみ観戦。米北のキャプテンにして右CB(2番)があたふたと攻め込まれる度に、ベンチから「こらっ、考えてプレーしろ」と怒鳴り声が聞こえていた。確かに4バックのコントロールを任されていたようだったのにもかかわらず、作陽の1トップ電柱9番が自分に張りついてくるのでラインはバラバラ、9番にヘディングで競り負けて裏に落とされると決定的ピンチの連続で、本人はパニックだっただろうが、これは試合中に考えてどうにかなるものではなく、むしろ日頃からこういうパターンを想定した練習をさせていないベンチが悪いような気がする。次の日の朝日新聞に、後半、作陽9番と、彼に競り負けて決勝ゴールを決められた2番が映っていた。結局あのパターンでやられたようだ。