パロップのブログ

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CS『チェコ対フィンランド』

2005/3/27放送、解説:粕谷秀樹、実況:西岡明彦
チェコ代表の出来は近年見た記憶がないほどひどかっただったわけだが、素直に見ればネドヴェドと怪我で欠場したガラセクの穴が大きかったと言えそうなところを、敢えて妄想を膨らませてみる。
妄想の前に一応の布陣を:

バロシュ…ロクヴェンツ…
シオンコ…………ポボルスキ
………………ロシツキ………
……ポラク……………………
ヤンクロ……………イラネク
ウイファルシ……ボルフ…
……………チェフ……………

53分バロシュに代えてプラシルを左MF、左サイドで所在無げだったシオンコを前に出す。73分最後まで所在無げだったシオンコに代えてヤロシクをそのまま右MF、というかポラクとヤロシクを並べてその前にロシツキ。82分ポラクに代えてユンをFWにしてヤロシクの1DH気味に戻す。
ちなみに次のアンドラ戦スタメンは、恐らくそれぞれの定位置にボルフ(怪我の可能性高し)→ロゼフナル、ポラク→ティツェ、シオンコ→ヴァホウセク。試合内では、46分ティツェ→ポラク、60分バロシュ→ユンの交代はそのままの位置として、75分イラネク→プラシルはちょっと分からない。EURO04でポボルスキをSBに下げてその前にプラシルというのがあった気もする。
監督はネドヴェドの後釜が決まらなくて色々試しているのだろうが、やせ我慢せず素直にヤンクロを1つ上げて、両SBにはともに左右が可能らしいイラネク&グリゲラで良さそう(但しグリゲラは現在怪我らしい)。この試合の中では、プラシルが左MFに入って良い動きをしていたと思う。
失点が多い試合の後は、大抵両CBが不安視されるが、これは個人能力の問題というよりは、後ろに3枚(両CB+1DH)を残して全員上がってしまったところにカウンターを食らう構造的欠陥だろうから、多分フブシュマンでもロゼフナルでもそう変わらない。起用選手は監督の好みでしかない。
ポボルスキはチーム最年長とは思えない90分間の動きだが、同時にキャプテンという柄でもなさそう。少年のようにサイドを駆け回らせた方が効果的だと思う。
ポボルスキは後2〜3年大丈夫として、ブルックナー監督はネドヴェドの後釜とガラセクの代役探しに、今後とも悩まされそう。
というのが、表向きの感想で、以下は妄想。

ブルックナーが監督に就任して以来約2年半、このチームの中心はガラセクだった。ボール狩りをする際に味方のポジショニングを仕切るのもガラセク、攻撃のスイッチもガラセクにボールが収まった時、コラーがポストの準備を整え、ネドヴェドがフリーランニングを始める。ロシツキはそれらの動きを前提に、二手三手先を読んでもっともパスを受け易く、ラストパスを出し易いポジションへと備えなければならない。使われる者はしんどい。
後半開始前に笑顔で話し込んでいるロシツキとポラクとか、ゴールを決めたポラクを最後まで祝福しているロシツキを見ると、ロシツキはずっと「ガラセクうぜえ、年寄りうぜえ」と思っていて、自分の周りを子飼いの年下で固めて自由自在にプレーしたいのでは、と勘ぐってしまう。この場合ロシツキとコンビを組むDHの片割れはコンダクターではなく、ジダンに付き従うマケレレのような存在になる。もちろんロシツキはディフェンスの才もかなりのものだから、相方はマケレレほど守備専にはならないだろうが、この試合を見る限り、ポラクとロシツキのプレー相性は疑問符が付く。直感としてロシツキとヤロシクの組み合わせはない。左サイド職人のティツェとロシツキは分担もうまくいきそうなので期待度高し。
ロシツキさえも一つのコマとするガラセク仕切りの組織的なチームと、全権を握ったロシツキが仲間達を自在に動かしつつも相変わらずチェコらしく組織的なチームの、どちらが強いだろうか。そしてどちらが面白いサッカーをするだろうか。ブルックナーはどちらを採用するだろうか。いずれも分からない。分からないが、ロシツキ政権が誕生した時、恐らく傍らにガラセクはいないだろう。
今は過渡期だからもろいし、緩い。そして歴史の針はガラセク時代へ戻される可能性もある。戻るといえば、仮にWC2006の出場権を得た場合、最後のチャンスとしてネドヴェドが復帰する可能性も低くはない。そうした声が上がってきた時、ロシツキはどのような反応をするだろうか。これまでのように「経験豊かな素晴らしい選手が復帰するのは大歓迎さ」と優等生の発言をするのか。それとも「もうオレ中心のチームだから、今更おっさんの出番はないよ」と言えるだろうか。興味は尽きない。