パロップのブログ

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サンフレッチェ広島に今野と岡田(コンサドーレ札幌)

今売りの『サカマガ』(No.986)にも今野さん発掘物語「今野泰幸ヒストリー/いつも陰で走り続けてきた」が掲載されている。『Number』(607号)では節穴の目扱いされていた札幌のスカウトが準主役級の扱いで、逆にソニー仙台及び岡田氏と個人的に親交のあったというソニーのスカウトは実名無し(ソニーに関しては、アマチュアだから企業名はNGなのかもしれない)。この差が、ライターと被取材者の相性(ノンフィクションといえども、会ってみて感じ悪かった人を誉め称えたくはないだろう)なのか、単に視点の違いなのかは分からない。
それはともかく、今野さんの才能を認め、ワールドユース代表に選びたいがため、実業団ではなくプロで揉まれるようにと、中立の立場をややはみ出してまで札幌の岡田監督に推薦した小野剛氏が発掘の功労者だと思うのだが、どうせならば岡田氏ではなく、広島の今西GMに今野さんを紹介してくれれば良かったのに。当時、協会の強化委員だった今西氏と小野氏なら面識もあったはず。
邪推してみると、小野氏は広島に漂う今西イズムに疑問を持っていた気がしてくる。無名の高校生を発掘して代表選手まで育て上げるクラブの方針には敬意を表すけれども、強化委員として今西氏が代表に推薦してくる広島の選手(例えば、柳本/路木/高木)が、ビッグゲーム(代表或いは天皇杯決勝)で力を発揮しきれていないことを、小野氏は岡田氏の元で代表コーチをしながら感じたのではないか。それで自分を主張するタイプではない今野さんを広島に預けても「生温い中位のメンタリティに飲み込まれてしまう」と感じたのではないか。広島の監督に就任した小野氏が今西イズムに漬かっていたチームの良き兄貴的存在(上村/桑原/松下)を全部切っちゃったのも、微妙に裏付けとなるだろうか。
もしも小野氏が今西GMに推薦してくれていれば、今頃、中盤に今野/高萩/森崎ツインズという夢が見られたかもしれない。惜しい。