パロップのブログ

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WOWOW『ドイツ対チェコ』

2004/6/24放送
正直、怪しげなハンドなんかはドイツに有利な笛を吹いてあげれば良かったのに。少し可哀想だった。
ポボルスキがアディダス新魔球に馴れたか確認したかったが、右からのFKもハインツが蹴っていたので判らず。まあ、ハインツがロテイロ・マスターなのは判った。
ガラセクは、レフェリーに勘違いされたら怖いので、ショルダーでの当たりもスライディング・タックルも仕掛けない安全運転。仮に、抜かれたらGKと1対1になるような場面でも、絶対後ろから引っ張ったりしなさそうだった。
プラシルモナコでもあんな感じだった気がする。少しリズムが合っていない感じ。キャンプに召集した24人から1人削って23人にする時、自分はブルックナーが外すのはプラシルと予想したが、それはブルックナープラシルをまだ信用していないのでは、と思ったからで、今でもそう疑っている。将来の代表主力だから帯同させたとか。
もう一人の主力候補フブシュマンもディフェンダー登録でメンバーに入っているけれど、キャンプでの練習試合ではほとんどディフェンダーで起用されていないようだったし、ブルックナーはフブシュマンに対して便利屋的な期待をしているのではなかろうか。
スルニチェクからチェフへ一気に世代が飛んだために割を食ったブラゼクだが、リラックスと気合のバランスが絶妙で楽しそうだった。ベルマーレにいた小島のおっさんを思い出した。
ヴァホウセクは、あの世代らしくディフェンスも上手い。EURO96をみた人は分かるだろうが、当時のチェコ選手はビリヤードの球(或いは惑星衝突)みたいに、相手の軌道に体当たりして警告を貰っていた。まあネメツやラタルらブンデスでプレーしている選手達が、そういう訓練を受けていただけの話かもしれない。ヴァホウセクはEURO後もヤンクロと左MFを争うのか。大変だ。シマックも生き返ったら強敵だろうし。左に良い選手が多いのは贅沢な悩みだが、右が薄い。
デンマーク戦は、案外マレシュ→ヤンクロ以外ディフェンスライン4枚はそのままかも知れない(結局マレシュの特徴はよく分からない)。今の調子ならイラネク>グリゲラロゼフナルウイファルシの可能性もあり。でないと、ガラセクをそのまま入れてバランスの実験した意味がないし。ただデンマークの両サイドMFを抑えるには、高さのイラネクよりもスピードのグリゲラの方が良さそうにも思える。4バックは守りに専念して、スミチェル/ポボルスキを高めに張らせて相手の攻撃を抑えるのかもしれない。左にネドヴェドとヤンクロを並べるのはあまりに危険すぎると思うのだが、監督は私には窺い知る事の出来ない深い考えを持っているのだろう。
チェコ代表ウォッチャーの多くが持つ「何故、最強だった予選の形で戦わないのか」という疑問。通常は「好調バロシュを先発で使いたいから」という事になっているが、個人的な仮説として「2006年WCの予選を視野に入れている」可能性をあげたい。仮にEURO04で優勝した場合、それでコラー(ロクヴェンツ)、ガラセク、スミチェル、ポボルスキらが代表からの引退を決めたりして、チーム作りはほとんど最初からになる可能性がある(とりあえずは長身ポスト抜きなのか、新たに若い長身ポストを選出するのか、予選途中までコラー/ロクヴェンツに出場してもらうのか等決めなくてはならない)。今秋からは予選も始まり、初期における取りこぼしが響いて予選敗退もあり得る(何しろ同グループ内にオランダ/ルーマニアフィンランド等)。そのため、いわば本選出場はボーナスとして脇に置いて、昨年10月にEURO予選突破を決めてからは、新チーム作りに入っているとも考えられる。もちろん今大会も優勝を狙っているのは間違いないが、2回続けて転けたチェコにとって、次回のWC出場はいわば至上命令であり、本大会での活躍よりも優先される課題という可能性もある。基本的に長期予選を勝ち抜くチーム作りと短期決戦を勝ち抜く準備は別物というか、EUROやWCに出場するには周到な準備が必要だが、短期決戦の本大会はジャッジや怪我や出場停止などの要素に左右される事も多い。まあ、本大会中、予選時の形に戻すのはそう難しい事でもないだろうし、という事で、EURO本大会6試合を勝ち抜く短期的戦略と、秋からの予選を勝ち抜くための長期的展望の折衷というのが、現在の状態。