パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

輸入権

はてなの杖日記」で、

著作権法の一部を改正する法律案の参議院での投票結果
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho2/vote/159/159-0421-v009.htm
投票総数 191   賛成票 191   反対票 0
http://d.hatena.ne.jp/munekata/20040422

を知った。リンク先をみると、我が岡山選挙区選出にして現役で司法試験合格、東大法学部を首席で卒業したといわれる江田五月大先生は、投票もしていないので、何をしていたのかと思ったら、

今日は、参議院本会議のある日で、イラク報告のほか法案の採決も目白押しでした。しかし、採決はすべて民主党は賛成です。それに、私は現在、民主党岡山県連の代表です。そこで、連合と民主党の共催による活動のほうを優先しました。お許しください。
http://www.eda-jp.com/katudo/2004/4/21.html

ということで、地元に帰って選挙運動していた。まあ議会にいても党議拘束があるんじゃ、個人なんてゴミのような存在。ちなみに、昨年の衆院選で敗れ、今年初めに岡山5区の民主党公認候補をクビになったはたともこ氏は、

はたともこは著作権法改正に警鐘を鳴らします。〜洋盤を守れ!。
http://www.hatatomoko.org/

なんてことを書いているが、「議員先生、選挙落ちればただの人」だ。何の役にも立たない。
ここまではネタ振りで、本題は輸入権
私は、昨年12月に募集していたパブリックコメントを送らなかった。理由は、知ったのが3日前くらいでちゃんと条文を読めそうもなかった(及び読み解く能力がない)から。そもそも本来、こういうコメントは、権力からは遠くて審議会なんかには参加していないけど在野で著作権法を真面目に研究している専門家が、優秀な官僚や圧力団体の精鋭達が奇跡的に見逃してしまった法の抜け穴なんかを指摘するために募集するもので、賛否の票数を競うものではないはず。ネチズンじゃあるまいし、条文も読んでいないのに識者の反対意見をコピペしたコメントが大量に送られてきたからといって方針が変わるようでは、そっちの方が心配だ。ところが、どうやらコメント募集の結果は票数しか公表しなかったようだし、おまけに今回の法案作成を進めた圧力団体は、審議会かなんかで約束した「法律上は逆輸入盤以外のアメリカ発輸入盤も止められるけど、実際はしません」的な発言も反故にするつもりらしい。
個人的には、アマゾンで輸入盤を買うのは年に5枚もないし、音楽への愛なんてほんの少ししか持っていないから、輸入権の話は模様眺めだったし、既にブランド物などでは輸入権みたいなものも設定されているようだし、「誰の利益を守るか」で問題の見方も違うだろう(「長期的には誰の利益にもならない」という意見は敢えて無視)。しかし、今回はこれまで議員と官僚と圧力団体と選挙民とでまがりなりにも培ってきた手続きを迂回する形で立法されるように見えるのがカチンときたので、こうしたグダグダと書いてみた。実際には、こうやってムニャムニャな方法で、立法されるケースは数多あるのだろうけど、折角今回は表沙汰になったのだから、何か反応してみたかった。
先に挙げた江田先生様だが、先日の靖国参拝判決について、

裁判所は、判決の結論に必要なことだけ言えばよく、紛争解決のため特に判断を示す必要がある場合以外は、余計なことは言わないほうが良いと思います。裁判所の気持ちには共鳴しますし、異論反論が飛び交うのも面白いとは思いますが、法律雑誌で発表すれば良いことです。自分の意見にとって都合の良い判示は歓迎、悪ければ批判というのでは、ダブルスタンダードになってしまいます。
http://www.eda-jp.com/katudo/2004/4/8.html

と、法律家らしい真っ当な事を書いている。意見は違えど、法律における手続きを大切にしてくれるのならば、今度のケースにも反応してくれ、江田先生。リンク張っているから、アクセス解析辿って読んでくれ、民主党岡山県連。別にこの件だけで民主党をどうこう揶揄するつもりはないが、このままだと7月の参院選で江田氏には投票しない。昏睡状態の人間から「後は頼んだ」と言われた人が首相になって以来、パフォーマンス長野県知事をシャドー外相に任命する無能っぷりも我慢してきたし、苦渋の決断で党首の無職息子(わざわざうちの選挙区から出なくても…)にも投票したが、これも良い区切りだ。さらば、社民連の残党一味。
ついでに小泉首相にも言及しとく。今回の輸入権創設も所謂「小泉改革」の一環で、その他も含めて自分の思想的には小泉首相に反対しなきゃならないようだし、実際これまで投票した事はないが、どうやら支持替えの時かもしれない。仮に小泉首相が「アメリカの犬」だとして、首相の個人裁量で「犬」であり続けられているのならば、それは画期的な事だと私には思える。これまでどんな政治的決定も「党が決めた」「国民が決めた」「空気が決めた」事になっていた国で「良い事をしても小泉のお陰、悪い事をしても小泉のせい」と責任の所在がはっきりしている事態は画期的な事だと思える。自民党反対勢力からも野党からも大多数の国民からも遊離して4年の任期を全う出来たら画期的な事だと思える。「あっ、党内に配慮しなくても良いんだ」と、次に自民党総裁となる人が「他人無視の(ように見える)小泉的手法」で「小泉と正反対の名君」になる可能性も出てきた。そういう「政策」ではなく「手法」への期待があるという感覚を民主党も配慮してくれないと。