パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS2『アクターズ・スタジオ・インタビュー』「トム・クルーズ自らを語る」

2004/3/10,11放送、50+50分、制作:ブラボーTV/ザ・モーメント・プロダクションズ(2003年)
本名トーマス・クルーズ・メイポーサー4世、ニューヨーク州生まれ。父は電気技師ほか転々と仕事を変えて放浪の幼少時代(14歳までに15校)、姉妹3人、母親はアマチュア劇団で脚本書き、空想癖あり、12歳の時両親が離婚、聖フランシス神学校(シンシナティ)に行ったのは授業料が無料だったから、母が再婚してニュージャージーへ戻り、高校卒業後は義父から900ドルもらってニューヨークへ、働きながらフィル・グシの演技クラスで勉強
話題に上がった作品:『タップス』(ベッカー監督、ニューヨークへ来て半年後くらいに受けた3,4つ目のオーディション、1ヶ月間のワークショップ、ショーン・ペンティモシー・ハットンと知り合う、現在のエージェントのポーラ・ワグナーと知り合う)、『アウトサイダー』(コッポラ映画に出演を熱望していた)、『卒業白書』(21歳の時、ブリックマン監督)、亡くなる直前の実父と再会、『トップガン』(ブラッカイマー製作、トニー・スコット監督、〈ニューヨークに来てから3年〉という事は製作開始は1984年頃?)『ハスラー2』(スコセッシ監督、ニューマン共演)、『レインマン』(ホフマンから〈一緒に仕事をしよう〉と言われたが、冗談かと思ったら本当だった)、正式な演技の訓練を受けていないが共演者から学び自然の境地に達するまでリサーチするスタイル、『7月4日に生まれて』(ストーン監督、ギャラは安かったが重要ではない、ギャラは作品の予算に合わせる、原作者ロン・コービックからアドバイス受ける)、『ア・フュー・グッドメン』(ニコルソン共演、ライナー監督)、会場の最前列に座っているチーム・クルーズのスタッフ(ポーラ・ワグナー、ケビン・フーベン、パット・キングスリー、リック・メシード)を紹介、『ザ・ファーム/法律事務所』(ハックマン共演、監督のシドニー・ポラックアクターズ・スタジオ・ウェストの共同責任者)、『インタビュー・ウイズ・ヴァンパイア』(役作りの話)、『ミッション:インポッシブル』(トムとポーラで共同製作、デ・パルマ監督)、『ザ・エージェント』(クロウ監督),『アイズ ワイド シャット』(キューブリック監督)、『マグノリア』(ムーアとホフマン共演、PTA[←トム本人がこう言った]監督が『アイズ〜』の現場を訪ねてきた)、『バニラ・スカイ』(リプトン氏はクロウ監督から出演を依頼されたが断ったというネタ)、『マイノリティー・リポート』(スピルバーグとは初めて)、『ラスト・サムライ』(ズウィック監督、放送当時はリプトン氏だけ試写を見た時期らしいが、トムが「共演者はケン・ワタナベ」といったら会場から凄い拍手が湧いていた。公開前からワタナベの名は評判だったのだろうか?)
10周年記念特番。
ヒットした作品の話、名高い監督の話、偉大な共演者の話、自分の話と「映画界のファンバステン」にふさわしいバランスの良さ。演技派を気取って低予算作品に出るようなスタンスをとらなくても、個性の強い監督やレジェンド的俳優と仕事が出来るという素晴らしい例。
サイエントロジーの話は出なかったが、どんな理不尽な困難でも「この体験が自分の成長の役に立つ」と自己暗示をかけるところは、性格なのか教えなのか。自己啓発本を読むソニンにも共通項を感じる。行動する前から「どうせ無駄さ」と手を抜くのではなく、無心になって挑戦すると、いつの間にか高みに達する事出来るのかもしれない。ソニン頑張れ。
〈演技では実体験を元にしない〉とアクターズ・スタジオメソッドを全否定するトム、かっこいい。
レインマン』で思い出したが、『セント・オブ・ウーマン』で2匹目のレインマンを狙ったクリス・オドネルはどうしてしまったのだろうか。戦略通りにはスターになれないもんだ。
タップス』の話の時、トムとショーンとティモシーのスリーショットがながれた。トムは野心的なヤンキー、ショーンは繊細な文系、ティモシーは人の良いおぼっちゃんといった感じ。それから随分と別の道を進んだもんだ。彼らの立場が入れ替わっていた可能性はあるだろうか。トムは早くにオスカーとって沈没、ショーンが派手なハリウッドスター、ティモシーは同業者から尊敬を集める演技派(ティモシーがオスカーとったのは『タップス』の前のようだから正しくは当てはまらないが)。
ポーラ・ワグナーという人は撮影現場をまわっては、エージェントがついていない有望な若手に目を光らせていたのだろうが、大物を釣り上げたもんだ。今や共同で映画製作出来る地位を得たのだから。
リプトン氏がゲストと飛行機の操縦話をするのは本人の趣味(実体験)だからと知っていたが、両親の離婚話も本人の実体験に基づくネタだった。
番組中、さらりと軽く日本語字幕で「パット・キングスリーはPMKの主催者でもあります」と出たのだが、PMKって何だ。検索するにタレント・エージェンシーのようだが、註もないまま使用して良い略語とは思えない。訳者も視聴者も分からないまま、とりあえず言った事をそのまま字幕にするのはどうかと。