パロップのブログ

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BS2『アクターズ・スタジオ・インタビュー』「マーティン・スコセッシ自らを語る」

2004/1/19,20放送、45分+55分、制作:ブラボーTV/ザ・モーメント・プロダクションズ(2002年)
父ルシアーノ(チャールズ)はシチリアからの移民、母キャサリン・カッパ、本人はクイーンズ生まれのリトル・イタリー育ち、喘息持ちで映画が楽しみ、4〜5歳の頃にみた『白昼の決闘』に影響を受けた、球技下手だったからアウトサイダー(あだ名は「薬屋マーティ」)、12歳頃ディズニー映画『ピーターパン』のウェンディに恋、厳格な両親&カトリック教会の従者、14〜15歳は神学校(退学して高校へ編入)、ニューヨーク大学でマスターコースまで勉強(映画史講師ヘイグ・マヌージアンに師事)
話題に出た監督作品:『君みたいな可愛い娘がこんなところでなにしているの?』(アーニー・コバックスなどテレビ喜劇の影響)、『マレーそれは君じゃない!』(『彼奴は顔役だ!』のような30年代ワーナーっぽく)、『ドアをノックするのは誰?』(撮影時は学生映画、数年後に68年革命の流れでヌードシーンを入れて公開)、『明日に処刑を…』(ウッドストック撮影中にワーナー社の人間と知り合う、ロジャー・コーマンの下で30年代もの)、『ミーン・ストリート』(大学時代の技術+コーマンの下で人間・人生を学んで成長、ロック・ミュージックの使い方について)、『アリスの恋』(エレン・バースティンの推薦を受けて監督射止める、即興好きはカサベテスの影響、ジョディ・フォスター起用)、『タクシードライバー』(デ・パルマから脚本家ポール・シュレイダーを紹介してもらう)、『レイジング・ブル』(デ・ニーロ主導)、リサーチ/リハーサル/撮影監督/編集について、『ハスラー2』(ポール・ニューマンと仕事がしたかった、演劇流リハーサル勉強)、『最後の誘惑』(1983年には全ショットを考えついていた)、『グッドフェローズ』(暴力を描く事について)、『ケープ・フィアー』(商業的なアクション・シーンを撮ってみたかった)、『エイジ・オブ・イノセンス』(『愛されちゃってマフィア』のミシェル・ファイファー最高!)、食べ物のシーンについて、『カジノ』(脚本の共同執筆について)、『クンドゥン』(政治と宗教の両方に興味あり)、『ギャング・オブ・ニューヨーク』(これの公開に合わせて番組に来たっぽい)、学生との質疑ではエリア・カザンマーロン・ブランドが始めたアクターズ・スタジオ的リアリティの影響について力説
映画をみて映画を撮りたくなった昔ながらの映画技術オタクが、自分自身の出自(民族・宗教・社会)をテーマにする事で撮りたい物語を発見して飛躍した、ということだろうか。テレビの録画機器がなかった頃のヲタは大変そうだ。いつの間に拠点をニューヨークからハリウッドに移したのかは触れられなかった(ニューヨークを生活の拠点にしたままだったのかもしれない)。
その他1:エレン・バースティンはアクターズ・スタジオの創設メンバーにして副理事長、ポール・ニューマンも創設メンバー
その他2:スローモーションとか「ダンスのように撮る」とかジョン・ウーの元ネタはスコセッシなんだろうか?