パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

OHK(フジ系)『セルジオ越後が行く・世界サッカー紀行2003』「優勝を義務づけられた国ドイツ〜心の壁を超えて」

2003/12/7放送分、約55分、構成:伊予志樹、ディレクター:長谷川和人、プロデューサー:高野満好、制作著作:テレビ静岡
(参考)http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2003/03-342.html
旧東欧好きとしてとても楽しめた。「西ドイツに吸収合併された東ドイツだけれど、救い出す価値のある優れたシステムもあったよ」という番組の視点・趣旨が嬉しい。というのを前提として、いくつか。
今始めたばかりのユース育成システムがワールドカップ2006に繋がるとは思えないわけだが。80年代か、せめて90年代には始めていないと間に合わない。計画自体、ユーロ2000の惨敗を受けて始まったわけで。
デュナモ・ベルリンを応援していたスキンヘッドの連中は恐らくネオナチだと思うのだが、彼らを「クラブの財政危機を救った良い奴」として紹介するのはどうなのか。それから秘密警察の支援を受けていたという悪しきイメージが西側の投資を得られない原因なのはその通りだと思うが、それと同時に地元旧東独人から嫌われているのも崩壊寸前の原因にあるのではないか。
「東ベルリンのテレビ塔を見つめるマルクス・レーニン像」が紹介されていたが、顔がレーニンというよりエンゲルスっぽかった。まあ、髪型とか髭とか年齢によって変わるから、こっちの間違いだとは思うが、少し気になった。→ググったら見つかった。多分これの事だと思う。(下記サイトの最後の辺り参照)
http://home.att.ne.jp/apple/berlin/baustelle/BAUSTELLE/Baustelle.DDRstadtplan.html
ドイツのユース指導法について意見を求められた越後氏は、流石に長年サッカー教室を開いてきただけあって説得力のある発言をしていた。
フランスや日本は網を張って才能を探し出しては集中トレーニングを課す育成システムだけれど、番組をみる限りドイツでは大量の一般少年を相手にしているようだ。立ち上げは遅かったけれど、いざ導入するとなれば、一気に大規模なシステムを発動させる事が出来るような印象。不謹慎ながら強制収容所をシステマティックに運営出来るわけだ。ロシア人ではこうはいかない。
私は94年にゲルリッツを旅行したわけだが、中学生のバラックとすれ違ったかもしれないと想像するのは、下らないけどかなり楽しい。