パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

『〜自らを語る』シリーズ

BS2『ショーン・ペン自らを語る』(9/11放送分、2001年制作)。『キャスティング・ディレクター』公開前、『ギター弾きの恋』撮影中の収録。『カリートの道』でのメガネとふわふわパーマ姿を見るとアート・ガーファンクルみたく、アイリッシュの血を感じる。マドンナとの共演、結婚などアイドルスターだった頃の話はなかったことにしている。大金を貰って馬鹿にする映画へ出演し、その金で自分の映画をつくることを流行らせた人。ジャック・ニコルソンとのコラボレートは誇りでも、デニス・ホッパーと作った傑作『カラーズ』も封印か。『デッドマン・ウォーキング』と『シーズ・ソー・ラブリー』の間くらいから、表情の作り方が別人のようで、彼は突然「若い頃の演技は全部糞だ」とトルストイのようなことを言い出しそうなタイプに見えるが、そんなこともなく楽しそうに若い時分の演技法を披露していた。尊敬している俳優はデニーロらしいが、共演したことはあっただろうか。
BS2『ケビン・コスナー自らを語る』(9/12放送分、2001年制作)。最新作が『スコーピオン』の頃に収録。「ケビン・コスナーとイェンス・ノボトニーは似ている」説を唱えている身としては、彼の祖先が18世紀にアメリカに移民してきたドイツ系ということを聞いて裏付け一つ入手。質問に対して演説で返すケビン、リプトン氏にとって史上最悪の収録になったような気がする。彼は、急成長企業のワンマン社長というかハイスクールのフットボール顧問先生といった感じ。聞いてもいないのに学生に対する説教、訓話、鼓舞、そんな言葉が次々と出てくる。『アンタッチャブル』『さよならゲーム』『フィールド・オブ・ドリームス』『ダンス・ウィズ・ウルブス』『JFK』までは幸運というか、ゾーンに入ったというか。同じような役柄ばかりなため「大根」だと思われがちで、実際『ウォーターワールド』で魔法は解けるんだけど、ゾーンと落ちぶれの間にある『パーフェクト・ワールド』と『8月のメモワール』は良い作品だ。中身がないんだけど、無邪気に努力話をしているのを見ると悪く言えない気になる人柄、(ハリソン・フォードのような)ショービズ・スターでいれば良いのに誇大妄想的な映画作りをしてしまう処、いろんな意味でもっと80-90年代を代表する映画人として取り上げても良いのでは。