パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

ロシア対チュニジア

2002/6/5
10年振りの体調不良のなか、有給休暇をとって神戸まで見に行く。詳細は別に書くつもりで、軽くまとめ。ディフェンスは4バックというよりオノプコ余って3人マンマーク。中央後ろにティトフ、前にイズマイロフ。左にセムショフ、右にカルピン。2トップにベスチャとピメノフ。前半ティトフ全く上がって来ず、イズマイロフも勝負のドリブルせずにパスばっかり。セムショフは特徴なし。ベスチャはへたれ。ハーフタイムにセムショフに代えてホフロフを真ん中、イズマイロフを左に出すと予想する。交代予想は当たるが、ホフロフがそのまま左に入った。ベスチャに代わったシチョフが素晴らしい。何故先発させないのか。2点リードの後投入されたアレニチェフ、左端でドフリーにもかかわらずパスはもらえないし、下手なタックルでいきなりイエローカードもらうし、散々。相手の1トップ・ジャジリをみているのはニキフォロフで、オノプコは相手のボールホルダーと自分の左右にあるスペースだけを見ている。ジトゥニが投入されて2トップになるとスイーパーを放棄してマンマーク。で、終了間際はスペースに飛び込まれまくり。意味がワカラン。たとえモストボイとスメルティンが復帰しても、ティトフ、イズマイロフ、ホフロフみんな真ん中でボール触りたがり、サイトアタッカーがいない。
………
「詳細は別に」と書きつつ1年間放置していた。ほとんど記憶がないがケジメをつけよう。
前の日の晩から、高校時代以来10年振りくらいの腹痛に襲われた。寝っ転がって本を読んだりグダグダしていると、背骨近くの腰痛が表に回って腹痛になる、という病気なんだが、高校時代の医者は「ストレス」としか思わず、急性腸炎の薬なんかをくれた。今回の場合、畳にあぐらをかいて、(主にダフ屋情報などを)ネットし続けたために腰痛が悪化、それが腹痛に転化したと思われ。旅の前に体調を崩す馬鹿ひとり。岡山・神戸間を鈍行で往復するつもりだったが、無理。行きは何とか耐えたが、観戦中も空元気すら発揮出来ない。帰りは一刻も早く休みたくて新幹線で帰った。
もちろんチケットは持っていなかった。仕事を休んでまで行った割には、そんなに気合が入っていなくて、「定価割れの値段でダフ屋から買おう、それ以上だったらスタジアムを一周して盛り上がっている人混みを味わって帰ろうか」くらいに思っていた。実は「日本戦以外のカードに当たってしまった人は平日にこんなカードを見るために仕事は休まないだろうからダフ屋が糞席を売っているはず」という算段もあった。『サポティスタ』なんかでチェックする限り、一番安い席は大体定価の7000円(?)辺りで取り引きされているらしかったし。
しかしJRの最寄り駅(神戸駅?)から神戸ウィングスタジアムまで歩いて30分くらい。ダフ屋は全くいなかった。どうやら警備・取り締まりが厳しいのと、余りを持っているのが普通の民間人なため、ビジネス的要素が生まれていなかった。よって、余ったチケット持っている人を自力で見つけないといけなかった。「チケット下さい」のボール紙を作ってくるべきだった。スタジアムに到着したが、どうにもならないので「逆方向の地下鉄(?)駅まで歩いてダメだったら、今日のミッションを終えよう」と思ったら、スタジアム前を通過してすぐに「チケット2枚あります」のボール紙を持った2人組を見つけた。
チケットを売ってくれたのは普通の会社員2人組。そのうちの1人がいわゆる「ぴあ」の裏ナンバーを知っているチケットゲッター。4枚ゲットして2枚を転売したいと言っている。15000円だと言う。「そんなの出せない」と思ったが、それよりなにより「もう1人買い手が見つかるまで少し待ってろ」という事でショップを眺めていると、5分もしないうちにカモが捕まった。捕まったのは、京都の料亭で修行する20歳過ぎの板前さん。スタジアムで試合をみるのは初めてだと言っていた。高校時代、テレビでセリエを見て以来、サッカーが好きで、当日朝「仕事も休みだから」と勢いつけて来たらしい。京都・神戸は近いて良いな。個人的には入場ギリギリまで粘って交渉でもしてみようかと思っていたが、相方の彼が13000円(14000円だったかも)で納得したので、私も終了。というか、これを逃すと余所でチケットを入手する自信がないし、手に入ると分かったら余計に見たくなり、簡単に妥協。後日、『サポティスタ』が出したワールドカップ総集編を読むと、このカードの余り相場は15000円くらいだったようなので、まあ納得。
席はゴール裏、前後にも左右にも中央部。しかもピッチにやたらと近い。昨日急遽売りに出た我々のぴあ発チケットは、見易いセンター席だった。どうやら早く当たった人から、コーナーフラッグ付近の糞席を埋めていったという噂は本当だったらしい。第1次抽選で苦労して手に入れた人が可哀想。もう一つ言える事は、神戸ウィング最高、広島ビッグアーチ最低。
ゲッター2人組は、営業の途中で抜けてきた地元民(というか大阪人)らしく、携帯電話を持って始終ウロウロし、試合が始まっても席におらず、戻ってきたかと思えばスーツの上にベッカムオーウェンユニを着込んで、ハーフタイム前に消える。結局、後半途中で帰っていった。世の中にはいろんな人がいる。「貴重なチケットを裏技でとった揚げ句、勿体ない試合の見方をするなあ」というのが正直な処だが、仕事の最中にワールドカップというのが、まさに日常に根付いたサッカーなのかもしれないし、なんだかんだ言ってもチケット売ってくれた人だから、そう悪くも言えない。
ちなみに、ゲッター2人組も含め、お客さんのほとんどは日本代表を応援する善良な日本人で、ロシア/チュニジア両国には何の思い入れもないわけで、『日本対ベルギー』の結果(引き分け)を受けて、周囲は皆「チュニジア勝ってロシアに勝ち点を与えるな」という雰囲気だった。ロシア好きには完全なアウェーで、ちょっと苦しい。
試合中、何度かウェーブが起こった。メディアにはしたり顔で「日本と関係ない試合で日本コールをしたり、ウェーブをする馬鹿がいる」と言ったりする輩もいたが、ウェーブを始めたのはメインスタンドにいたロシア人だった。私は試合に集中していたのに、変な波が送られてきたので、かなり腹が立った。多分、ロシアから応援に来た連中は、めっちゃ高所得層で、観光気分で日本までやってきた、それほどサッカーが好きではなさそうな感じ。
スタジアムで板前さんをデジカメで撮り、メールアドレスを聞き「後で送るよ」と言ったのに、「宛先不明」で戻ってくる。困った。
肝心の試合の方は、前半、ロシアがこっちへ攻めて来る時はほとんどチャンス無し。後半、向こうへ攻め出して2点。個人的には、後半、最終ラインをウロウロするオノプコをずっと追って見ていた。ロシアのスイーパーというのは、前のセンターバックが抜かれた後をカバーするのではなく2列目からスペースに出されたボールへ一番に追いつき、かつ攻めの起点となってカウンターを狙えと言われているらしい。だからセンターバックは喩え抜かれても後ろから必死で追うし、スイーパーはカバーリングにはいかない。
駅からの道すがら、読売新聞がA3判4Pの号外を配っていた。スタジアムの中では、朝日新聞が先発メンバーを載せたA3判2Pの号外。これは22人の名前が刷られた雛型に先発発表後、先発メンバーの名前のところに○印を入れた苦肉のスピード印刷。試合が終わって帰る時には、駅前で読売新聞が試合結果を載せた号外(A3判2P)。片面は事前に刷ったH組3国(日本以外)を紹介した内容。結果の方は、12w×24lの記事に、でかい写真。今頃はデジカメとパソコンさえあれば、スタジアムで試合を見ながら、原稿が送れるのだから、解説・評論の類でなければ、終了と同時に出来るものなんだろう。
(以上2003/6/16記)

メインスタンドのチュニジア応援団

ゴールキック時、ラインを上げるオノプコ

コーナーキックで守るロシア