パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

『ETV特集2001』「戦争をどう裁くか〜(2)問われる戦時性暴力/(3)いまも続く戦時性暴力」

2001/1/30,31放送
NHKホームページより

戦争・内戦・民族紛争のなかで起きた犯罪を検証し、当事者間の和解を進め、共生を目指そうとする取り組みが世界的な規模で進められている。「人道に対する罪」という国際人道法によって裁き、和解を実現しようというのである。番組では世界各地で進められている和解への取り組みを紹介し、21世紀に同じ過ちを繰り返さないために、人類は20世紀をどう清算すればよいのかを探っていく

昨年行われた太平洋戦争時の戦犯法廷を手掛かりに戦時の性暴力について引き続き高橋氏と米山氏がコメンテーター。米山氏の「歴史学植民地主義フェミニズムの観点から読み直す」という紹介からして胡散臭いと思ったが、彼女は「同じ女性だからと安易に理解し合えると思わないこと」や「戦時の暴力は平時の権力意識の確認」など真っ当な意見を述べていた。戦犯法廷は『産経新聞』と『週刊金曜日』の報道の両方に目を通せば、大体の目的と仕組みは分かる。NHKが法廷について「自由主義史観」の教授にコメントさせていたのは右翼が怖かったからかもしれないが、必死にバランスを取ったと思う。流れとして教科書問題に触れるとすれば、個人的には歴史の教科書には事実は載せず、資料の調べ方、バイアスの批判的な見方、一つの説に固執しないためには、などを教えるべきだと思うが、それでも現実の教科書風に書くとすれば、「慰安婦は戦時中、支配民族からの暴力に晒されたのみならず、戦後もアジア的儒教的な男尊女卑の豚が支配する朝鮮民族社会で二重の苦しみを味わった」のようにすれば、植民地主義の観点からもフェミニズムの観点からも政治的に正しい教科書になると思うが。