以下、ホームページより
バルカン半島などに離散するアルバニア人。NHKスペシャルでは、資本主義への移行に揺れるアルバニア共和国、コソボでの激しい民族対立の現状を伝えた。冷戦構造崩壊後、各地で燃え上がるナショナリズム、民族主義について考える。
西谷氏はフランス思想か何かの専門家で、ヨーロッパ近代に異議をとなえるのが得意だ。山内氏はイスラム通なので、ヨーロッパが啓蒙の名の許にやってきた帝国主義的な残虐行為の数々に疑問を呈すのが得意だ。というわけで一般にバルカンとなると「長年の怨念が…、民族の対立が…」と歯切れの悪くなる評論家が多いなか、「アルバニアではイスラム教徒もキリスト教徒もそれなりにやっていた。悪いのはEU」と言い切ってくれるのでかなり楽しい。映像は相変わらず『NHKスペシャル』で使用したものしか出てこないが、ディレクター(多分「構成:鶴谷邦顕」という人)の解説付きになった。アルバニア人の若者を南イタリアの村からコソボ、そしてローマと1人に絞って各地を追っかけることにした決断には勇気がいったと思う。南イタリアに500年前から住み着いたキリスト教徒アルバニア人がいる、というのは事前調査で分かっていたのだろうが、そこからアルバニアに戻って両親の聖職者になると告白しに行く青年に付いていったら(多分告白後、両親に「息子さんが家名でなく、信仰を選んだことをどう思いますか」とか聞いて、番組を締めようと思っていたに違いない)、突然母親が死んで、父親も入院して結局話せず仕舞い。取材陣、ピーンチ!をよく乗り切りました。