仏／ラ・サンキエーム、テトラ・メディア、2000年
要旨は、EU内では人とモノの移動が自由になったのに、法律は各国で異なるし、政治家は立法権をブリュッセルに渡すのを嫌うので、各国の司法や警察は困っている、ということ。付加価値税もまちまちなので、架空取引の請求書を廻して税金の還付を受けるだけで儲けが出る、という話は聞いてもさっぱり意味が分からなかったが面白い。途中までは通常ニュース枠のレポートと変わらない内容で大した出来ではないと思ったが、マフィアの闇経済そのものが問題というわけではなく、マフィアがマネー・ロンダリングのために実際の市場価格とは離れた部分で土地取引などを行うことによって自由競争、市場原理、資本主義の仕組みをねじ曲げる、という件になって初めて話が見えてきた。しかしそれでも、判事や刑事のインタビューだけで構成する内容はかなり詰まらなかった。（採点5）
