パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

ETV『地球ドキュメンタリー』「大統領とアメリカの危機(ニクソン〜カーターの時代)」

仏/ポアン・ド・ジュール、2000年
出演者メモ:前回に続いてヘルムズ(CIA長官に出世)、シュレジンジャー(フォード下で国防長官)、マクファーレン(キッシンジャーの補佐官からレーガンの顧問に)、ブラッドレー(ワシントン・ポスト紙の編集主幹としてウォーターゲート事件をスクープ、反共和党)、ヘイグ(将軍から官僚嫌いのニクソンにより大統領首席補佐官)、初登場はキッシンジャーラムズフェルド、ブレジンスキ、クアント(国家安全保障会議)、ロッドマン(ニクソン期に補佐官)、レアード(ニクソン期に国防長官)、イーグルバーガー(キッシンジャーの補佐官→ブッシュ期の国務長官だと思う)、ブラウン(カーター期国防長官)
先週の続き。今回も基本的には当時の映像に御存命の方へのインタヴューという構成。アメリカ大統領の行政執行機関の問題について、更に深く、大統領安全保障会議国務省の権限が対立する様が語られる。ニクソンは他人を信用しない(自業自得)ため、国務大臣にウィリアム・ロジャースを指名したのは外交に詳しくなかったからだとか、最初の副大統領が脱税で辞任した後、ぱっとしないジェラルド・フォードを指名したのは、自分が議会から攻撃されても副大統領が彼なら罷免しないだろうという魂胆だったとか、面白いネタだ。ユダヤ人でハーバード大学教授だったヘンリー・キッシンジャーは最初、安全保障担当補佐官で中国訪問までは影の人、2期目は補佐官兼国務長官で大統領に提案する側と、それにアドバイスをする側の両方となり、それはおかしいということでフォードの時、補佐官を辞める。ニクソン期の問題は対中国国交正常化、第4次中東戦争ベトナム撤兵、チリのクーデタの手を貸す。アジェンデ打倒についてキッシンジャーの補佐官だったマクファーレンのみ「間違いだった」と言っている。一国共産化するとドミノ倒しになるという理論はベトナムと一緒なのに、何故ベトナムは失敗でチリは正しいのかと云えば、結局アメリカ人が死んだかと勝ったかでしかないのはさすが単細胞アメリカ人。後を継いだフォードは首席補佐官のみラムズフェルドを迎えただけで後は留任。フォードはニクソンに恩赦を与えて人気急落、後を継いだカーターは大統領の器ではなかったと酷評されるが、外交政策はニ匹目のキッシンジャーを狙った大学教授ブレジンスキー大統領補佐官と国務長官バンス(彼は生きているのに登場しない)の対立が主。アフガンでもイラン革命でも対応をめぐって武闘派ブレジンスキ(彼は共産主義から逃れた反共ポーランド人)と話し合いのバンスが対立。レーガンはイランに武器と30億ドルで人質解放を取引したらしい。番組の意図が分かりやすくなったので、採点アップ。(採点6.5)