パロップのブログ

主にTVドキュメンタリーを記録します

『「独裁者」との交渉術』

「独裁者」との交渉術 (集英社新書 525A)

「独裁者」との交渉術 (集英社新書 525A)

《結果的に独裁者(溝畑氏)の片棒を担ぐことになった木村元彦氏が、その反省の元に明石氏へ教えを請いに行った本》なんて揶揄するつもりで読んでみたが、普通に良い本だったので真面目に感想を書くことにする。

私はニュートラル(中立)という表現よりも、インパーシャル(不偏性)という表現が好きです。ニュートラルというと、色がつかない、つまり、仲介するほうに理念と原則が欠けているというふうにもとれます。それよりも、フェアに、客観的、公正に見ればどういう行動をとるべきか、ということが重要です。それは何もAという地点とBという地点の真ん中とは限らないわけです。
(P.48)

AとBの中間が中立ではないという話はドキュメンタリー作家からもよく聞く話で、一番印象に残った。
話が前後して分かりにくい箇所がいくつかあって「編集(聞き手)の方で話を順序を入れ替えて流れをスムーズにすれば良いのに」と思わなくもないが、下手に並べ替えて改竄を疑われるよりも話した順番そのままにして出すことを敢えて選んだのだろうと推測する。
具体的にどの箇所というわけではないが、木村氏の「正義を振りかざす米国に追随せず、日本政府は独自の判断をすべきだよね」という挑発に対して明石氏が「いやいや、西欧の発明した人権や民主主義は普遍的なものです。ただ、それをアジア諸国に杓子定規に当て嵌めるのではなく、それぞれの事情を汲むべきケースもあるでしょう。その際には日本が独自の役割を果たすこともあるでしょう」とかわしているニュアンスが行間にあるような気はする。

爆笑問題のニッポンの教養』「File-105 交渉人AKASHI」
2010/4/6初回放送、30分、撮影:菊地将和、取材:宮川麻里奈、ディレクター:小林倫太郎、制作統括:水高満、制作・著作:NHK
内容は元ネタ本そのままだった。

木村氏は5月に溝畑本を出すようだが、『サッカー批評』の連載はたしか前後編の前編を3月に掲載しただけだったはず。後編を載せる前に単行本出しちゃって大丈夫?内容被ってないの? いや、取材対象を持ち上げるだけ持ち上げて失脚したら知らんぷりするライターさんも多いなか、きっちり落とし前をつけようとする姿勢は流石だと感心する。

社長・溝畑宏の天国と地獄 ~大分トリニータの15年

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