パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

自分の事

正月に読んだ本、その1。

大澤真幸編『アキハバラ発〈00年代〉への問い』をざっと立ち読み。11月に自分の書いた

承認の問題はネットが救う。サブカルの島宇宙化とか批判的にいうけど、島宇宙が狭くて軽い程に離脱も簡単で良いとも考えられる。2ちゃんのモ板で、名無しの3人くらいしかいない狭い話題のスレで「おー、それ知ってる(分かる)」みたいな雑談して笑って解散する。それだけでコテハンとか名乗らなくても、匿名の緩い共感と承認で大多数の人は満足出来るんじゃないか。
http://d.hatena.ne.jp/palop/20081113

と、濱野智史氏の「加藤某をネタと自虐のvipperで包摂出来ていたらなあ」(意訳)という文章は、リンクしているというか似たような問題意識だと思った。浅野智彦氏の「必要なのは人格の全承認より軽度の敬意や尊敬じゃね?」(意訳)というのも理解出来た。東氏の「私的な関心に則って公的な発言をすべきと思ったときだけする」(意訳)というのも共感出来た。ネットの匿名性があーだこーだ言われるけど、大半の人間は有名になりたいと思っているわけではなく(有名になるほど煩雑な事も増えるから)、1円にもならなくても30秒後には忘れられても「その考えはなかったけど、分かる分かる」「お前の発想、面白いじゃん」と3人くらいに言われたら満足するもので、その点で匿名性というのは小さな敬意と承認をコツコツと積み重ねる上で優れたシステムだと個人的には思うのだが、それだと上手く消化できない人達も当然いるのだろう。

アキハバラ発―〈00年代〉への問い

アキハバラ発―〈00年代〉への問い


兄が購読している『bmr』に11回(2008年3月号〜2009年1月号)にわたって連載されていた塚田桂子「アメリカ合衆国大統領選を追う」をまとめ読み。ブラックミュージック好きの界隈から説明するオバマ現象ということで、日本では知られていないが本国ではオピニオンリーダー扱いなヒップホップ系アーティストの発言がたくさん紹介されていると期待したのだが、それほど多くなくて少し物足りなかった。ただ、毎号数人ずつ載っていた市井の人々へのインタビューは面白かった。
余談だが、あまり言っている人がいないので書いてみると、オバマが勝てたのはブッシュジュニアのお陰だと思う。「いつから米国は覇権国家として世界中で嫌われるようになったのか?」という問いに対しては、「ブッシュジュニアが大統領になってから」「レーガン辺りから」「1945年頃から」「アフリカ系が奴隷だった頃から」「清教徒がネイティブアメリカンと交易した頃から」等いろいろな考えがあると思うけど、アルゴアが大統領になっていたら、普通の覇権国家として普通に運営されていただろうし、それだと米国人が「俺達の歴史って何だろうな」みたいに自省するきっかけも来なかっただろうし、オバマが大統領になる雰囲気も来なかっただろうと思う。