パロップのブログ

主にTVドキュメンタリーを記録します

『ETV特集』『BSドキュメンタリー』

ETV特集』「医療事故 どう減らすのか〜新たな“安全システム”への模索」
2008/6/22初回放送、60分、出演:小出五郎(科学ジャーナリスト) 他、撮影:井ノ口輝憲、ディレクター:荒井拓/山口智也、制作統括:戸沢冬樹、制作・著作:NHK
パルプフィクション』でハーベイ・カイテルが演じている役柄ではないけれど、「片付けの指示をする人」にどれだけの予算をかけられるか。予算をかけることに合意を得られるか。24時間365日、業務が途切れない病院で、看護師長さん辺りが「今日は日常常務を部下に任せ、この棚この部屋を整理整頓しよう」と思っても無理なわけで、それならば業務の導線なんかを学問として研究している人をきちんと雇って任せる方が結果的にはうまく回りそうだけど、病院で医療に携わらない人を雇うという行為は、「片付けくらい現場の人間で出来るだろう」と多方面から批難を浴びそう。

ETV特集』「医療再生 “地域力”を結集せよ〜東金・丹波 医師と住民の挑戦」
2008/7/6初回放送、60分、撮影:須長寿行、出演・ディレクター:米原尚志、制作統括:戸沢冬樹、制作・著作:NHK
コンビニ受診の自粛は、斎藤貴男氏辺りだったら「ファシズムの始まり」と言われそう。「市民はいつでも誰でも医者にかかる権利を持っている。それで医者が逃散したら、それは医者の数を確保しなかった国(権力)の責任だ。権力者の誤りを何故一般市民が尻拭いしなければならないのか」と。日本の自粛は村八分の自粛になりそうだし、隣近所で医療資源を無駄遣いしていないか相互に監視し合うようになったら、それこそファシズム。ドイツのリサイクル活動はファシズムの匂いがすると、昔新聞で読んだ記憶がある。

ETV特集』「東と西のはざまで書く〜ノーベル賞作家 オルハン・パムク 思索の旅」
2008/7/13初回放送、60分、撮影:南幸男、取材:甲斐さやか/櫻井隼人、ディレクター:吉峯美和、制作統括:塩田純、制作・著作:NHK
「われ見る故にわれ在り」、パムク氏の言葉(だったと思う)。パムク氏はどこでも無遠慮に写真を取り巻くっていたが、あれは有名人になったので態度がでかいのではなく、若い時からああいう人だったのだろう。恐らく若い頃は旅先でスケッチしながら自分の記憶を定着させ、作家として少し売れ始めたらフィルム写真で保存し、デジカメが発明されたら「おお、これは便利だ」と。伝統は大切に、でも便利なものはどんどん使おう、そんな発想の持ち主だとみたがどうだろう。パムク氏は「デジカメの中にも精霊はいるよ」くらいうそぶいてくれそう。

ETV特集』「戦場カメラマン 小柳次一〜日中・太平洋戦争 従軍5千キロの記録」
2008/10/5初回放送、60分、出演:石川文洋/石川保昌 他、撮影:手島透、ディレクター:伊槻雅裕/小林純也、制作統括:戸沢冬樹、制作・著作:NHK
「人間の魅力的な表情を撮ることが出来る腕の良い写真家」と「兵士と同じ釜の飯を食った従軍カメラマンとしての限界と、それを乗り越えて戦争への思索を深めた晩年」の話がごっちゃになって整理されていない印象。或いは素材不足か。「20時間ある映像をぎゅっと濃縮して60分番組にしました」というよりは「30分でまとめられる内容を薄めに薄めて60分にしました」的な。特攻に行った兵士の遺族に、最後の写真に残っている笑顔の意味を尋ねたりして、笑顔に無理から過剰に意味を持たせようとしていたが、生前最後に撮った写真を頂けたら、遺族ならそれがどんな写真でも大事にするだろうと思う。
余談だが、日本軍が徐州でやった事を証言した男性の名前がテロップで出なかった(ナレーションで姓だけ)。NHKのドキュメンタリー関係ではちょっと記憶にないマニュアルからの逸脱。名前がネットで永久検索され続けないように、右翼から攻撃され続けないように、NHKも一般人の名前に関しては配慮に脳味噌を使うようになったのだろうか。この間、久しぶりに会った古い知り合いの話で、仕事での催し物に関して地方新聞社から取材を依頼されたけど「紙面に貴方の名前と現住所を載せるから」というので断った、と言っていた。田舎って、新聞に名前が載っただけで知らない知り合いからジャンジャン電話がかかってくる世界。ニュースソースの信頼性が論争になるようなネタならともかく、ただの街ネタなのに個人情報が必要なのか。職場の住所では駄目なのか。紙ジャーナリズムは古い慣習を疑いもせずに惰性で続けているだけではないのか。なんて言ってみる。

ETV特集』「戦争は罪悪である〜ある仏教者の名誉回復」
2008/10/12初回放送、60分、撮影:木下浩/大石裕久、取材:東野真、ディレクター:伊藤文美/高良沙葵、制作統括:塩田純/山元浩昭/林雅行、制作:NHKエデュケーショナル、制作・著作:NHK/クリエイティブ21
こちらは竹中彰元の尋問調書という軸があったので、上の「戦場カメラマン」に比べてうまいこと展開していた。尋問調書そのものが興味深い記録だし、再現VTRにしやすいし、再現Vに補足を加える形をとって当時の状況説明を組み込むことが出来たし、丁寧な60分。
画面に映っていた竹中氏復権顕彰大会のポスターを見ると、野田正彰氏が講演を行ったみたいだが、番組では全然出てこなかった。検索すると野田氏は「日本仏教と戦争責任」というタイトルで講演をしたらしい。権威大好きNHKさんなら、番組内で野田氏へのインタビューを絶対挟むはずなのに、NHKと野田氏の仲が悪いとか、野田氏がNHKへの出演を拒否しているとか、憶測してみる。

BS1『BSドキュメンタリー』「封鎖された街に生きて〜ガザ ウンム・アシュラフ一家の闘い」
2008/10/12初回放送、50分、取材・撮影:古居みずえ、ディレクター:本多さつき、制作統括:三浦尚/山元浩昭/野中章弘、制作:NHKエデュケーショナル、制作・著作:NHKアジアプレス・インターナショナル
最近NHKでは少なくなった外部のビデオジャーナリストによる記録。番組内の撮影日情報は「2008年3月から2カ月」「4月28日」「5月10日」。取材者のブログだと「6月まで」となっている。