パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

米国大統領選挙関連ほか

BS1『地球特派員2008』「“チェンジ”のゆくえ〜接戦 アメリカ大統領選挙」2008/9/20初回放送、50分、特派員&スタジオゲスト:中山俊宏(津田塾大学准教授)、スタジオ司会:池上彰(ジャーナリスト)、スタジオゲスト:堤未果(ジャーナリスト)、撮影:小林充輝、コーディネーター:西本義次、取材:服部隆志、ディレクター:四宮秀二、プロデューサー:藤枝融、制作統括:堅達京子/皆木弘康、制作:NHK情報ネットワーク、制作協力:パオネットワーク、制作・著作:NHK
これは傑作。最初に「物語選挙」(どちらの候補者のライフストーリーに共感するかを選択する選挙)と分析した割に、それが番組のキーワードとなるわけではなかったのはご愛敬だが、それはそれとして現地ルポが面白かった。余談だが、影が薄いバイデン副大統領候補のライフストーリーって、全然知られていない気がする。ウィキペディアを読んだら、結構負けず劣らず波乱万丈。
ウェストバージニア州ブルーカラー/白人/民主党支持者にインタビューしたシーンは、キリスト教原理主義者のリアルが日本のお茶の間に流れた初めての映像かもしれない。堤氏の「アメリカの怖さは“田舎”の怖さ」という発言は上手い。逆に仮にも米国研究者のくせに、本物の宗教右派に出会ってびびった中山氏はちょっとだらしなかった。お前は都市部のリベラルとしか付き合いがなかったんかい、と。
ほんとだ、624787でググったら、一番上にマケインのゆーちゅーぶが来る!
何にしろ、自分には外国語のスピーチの上手さが実感出来ない。

『Nスペ』「アメリカは“変革”を選ぶのか〜オバマvsマケイン」2008/11/4初回放送、60分、キャスター:森本健成、取材:別府正一郎/山口大介/花井俊彦、撮影:岡野麻里子/福井響/岩切天平、ディレクター:崎谷潤/黛岳郎、制作統括:吉川直樹/出雲秀一/相場章、制作・著作:NHK
これは凡作。恐らく事前の世論調査で大勢が予想出来ていたからだろうが、まず「オバマ勝利」という結論があり、そこへ向かって勝因を探るようなストーリーだったので、ちょっと嫌な作りだった。上の番組では「オバマもマケインもキーワードは変化。でも変化の質が違う」という論調だったのに、こっちでは「オバマ=変革=正義」vs「マケイン=ブッシュの継続=悪」という構図を用意して番組を作っちゃっていた。
例えば自分なら、貧しい家庭に生まれ、軍隊に志願し、奨学金を貰って大学に行き、事業を起こして成功した共和党支持者で中産階級のアフリカ系に「今回はオバマに入れますか。それって裏返しの人種主義じゃないですか?」みたいな質問をしてみたい。女性でも「ヒラリー大嫌い!」という人は結構いたらしいので、それのアフリカ系バージョンってないの? アフリカ系の9割以上がオバマに投票って、逆におかしくね? みたいな。
余談だが、“黒人”は放送禁止用語ではないのか。確かに“アフリカ系”を基準にすると、“白人”ではなく“イギリス系”“スウェーデン系”“スロバキア系”みたいなカテゴリー分けをしないと“アフリカ系”の対にならないので、面倒ではあるが。
アハティサーリ大先生にノーベル平和賞を与えられた事で、21世紀の欧州は「バスクだろうがアブハジアだろうがどこだろうが何の歴史的根拠もない地域が一方的に独立を宣言してもむげには却下しませんよ」と宣言したも同然なので、来年辺りは旧ソ連中央アジアや旧東欧に米国型民主主義を(活動資金と一緒に)輸出しているマケインのNGOが平和賞を貰ったりしてもおかしくない。

『BSドキュメンタリー』「クラスター爆弾廃絶への道〜国際NGO 12日間の闘い」2008/7/13初回放送、50分、撮影:菊島政之、コーディネーター:大野和基、取材:秋山英樹、ディレクター:石田久人/矢野佳代子、制作統括:三浦尚/佐藤謙治/広瀬凉二、制作協力:ジン・ネット、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/ホームルーム
大統領選挙とは関係ない。
日本で行われた集会の映像に、後藤健生氏によく似た人が映っていた。確か後藤氏の専門は国際関係論だったから、居てもおかしくないと思って検索したら、「来日中のカペタノビッチ氏、ピクシーと感動の対面」という記事がヒットした。どちらかといえば、木村元彦氏が取材しそうな話題。
NGOは綺麗な民間、大企業は汚い民間」というわけにはいかないので、今後は国際会議にグローバルな企業がドンドン参加を要求しそう。「二酸化炭素の排出に関する問題なら、世界中で排出している我々に何でも尋ねて下さい。減らし方からごまかし方までエキスパートです」という感じで。