パロップのブログ

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自分の事

ニック・ホーンビィの『いい人になる方法』を読み終わる。相変わらずユーモア溢れる比喩は見事だし、共感して泣きそうになるフレーズもあるし、嫉妬するくらい文章は上手いし、だれて飽きそうになるぎりぎりのところで新しい展開や人物が出てくるし、よく出来ているはずなのに、基本設定に全然興味が持てないので「何故自分はこの本を読んでいるのだろう?」という気持ちになる変な本。本筋とは全然関係ないところで面白い文章があったので、メモっておく。

ワールドカップだかなんだかでイングランドのファンが大騒ぎを起こしていたとき、わたしはデイヴィッドに、どうして騒ぎを起こすのはいつもイングランド人でスコットランド人じゃないのと、たずねたことがあった。彼は、スコットランドのファンがハメをはずそうとしないのは、奇妙にねじくれたイングランドへの敵対心なのだと答えた。ケンカをしたがっている人間なら、スコットランドにだって何人かはいるのだろうけれど、彼らはわたしたちを憎むあまり、そんなことなどしようとしない。わたしたちよりいい人間であることを証明したいからだ。

いい人になる方法 (新潮文庫)

いい人になる方法 (新潮文庫)