パロップのブログ

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CS「第11節・モンテディオ山形戦」

2008/5/3放送、実況:永田実、解説:沖原謙
3バックの両サイドが大きく開いて自由に攻め上がったり、手詰まりになるとピボーテが下がって4バック気味になったり、「90分間相手陣内でプレーしよう」が合言葉のようだったり、これはもう大風呂敷を広げて3-4-3といってしまおうではないか。ウィングがいないけど日本には元々ウィングタイプが出てこないわけだし、広島風にアレンジしたということで。後ろから組み立てていくのはファンハール風、前の頻繁なポジションチェンジはサンフユース風、それの折衷。監督の意図なのかは微妙なところだけど、偶然から最適化されたシステムが見つかるのもスポーツの醍醐味。考えてみれば、偶然にもチームに欧州では絶滅しつつある3バックの真ん中が出来るブリントやフランクデブールの後継者がいて、将来はペップのようになって欲しいと誰もが期待した4番のポジションが出来る選手がいて、2列目で使うには攻撃面で一芸に秀でたものがなく3列目で使うには守備面で不安のある青山の適性は2.5列目のようだし、「本職はボランチ」という人もいるけどゴールに近い所でプレーすることで高萩もイキイキしているし、収まる所に収まった感があるではないか。アホみたいに鳥かご練習してきた甲斐もあったというもの。もっとも個人レベルで優位に立てるJ2だから可能であって、J1に上がったら通用しない気もするが、余裕をもってポゼッション出来る今を楽しもう。まあその前に仙台や鳥栖相手に通用するのか、最終試験を受けてもらわなければならないが、それに合格したら、せっかく見つかった最適バランスだし、崩さずにいって欲しい。またしても何となく最適化の一員となるタイミングを逸してしまった一誠にとっては残念な完成形だけど。
以前、プロパガンダファクトリーの中の人が、横竹のサイドハーフとしての才能を高く評価して2006年のベストイレブンに選出していたが、いつかはハンジェの位置で使っても面白そう。そして服部の位置に遊佐。これぞユース厨。

19分、浩司の右足ボレーはボールの落ち際を叩く感じがカッコ良かった。
54分、GKと1対1になった高萩へのロングパスを出したのは、青山か森脇だと思う軌道だったけど、よく見るとハンジェのよう。深い所からああいうボールを蹴るのは珍しい気がした。
個人的な希望では、3枚目のカードは寿人→一誠で、平繁1トップを試して欲しかったところだが、まあユキッチでもOK。前線に平繁だけ残してカウンター狙いもやってくれたし。
前半の山形は、ボールを奪ったら早めにストの両脇へ放り込んでいたように見えた。

試合中バトルを繰り広げていた槙野と長谷川が、試合後は柏木ともども仲良さそうに歓談していた。1987年度生まれ組同士、U18〜U20で一緒になったこともあるだろうし、広島ユース×流経柏時代から対戦して顔馴染みなのだろう(いま検索しても昨年の高円宮杯決勝ばかりヒットするので、探すのは諦めた)。高校生の長谷川を観たのは岡山国体の一度きり(第1試合が千葉対静岡、第1試合が広島対東京というプロ予備軍大勢の贅沢な顔合わせ)、「でかいのに足元も上手い」というありがちなキャッチフレーズがついていたが、その通りだった。「CBとCFWは22歳くらいにならないとどうなるか分からない」というのが以前から書いている個人的な意見だが、トップで使う気なんてサラサラない高卒選手を「とりあえず保有権を持っておくか」とばかりに獲得して干すクラブはどうかと思われても仕方ない。J2やJFLや大学を選ばない選手の側も賢くならなければ。U20辺りまでは栄華を極めたものの4年間プロで辛酸を舐めたマッスーや吉弘が落選して、今年春にプロデビューしたばかりの札幌柴田が五輪へ滑り込んだりしたら、プロってなんなのよということになる。