パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

CS「第8節・ジュビロ磐田戦」

2007/4/28放送、実況:大石岳志、解説:桑原隆
見たことがない選手ばかりだから仕方ないのだろうが、SBSのアナウンサーは現地にいないのかと思うくらい、サンフ選手の見分けがついていなかった。これだったらNHK-BS1でミッシェルさんのアンチ広島解説を聞いた方が良かったかも。放送時間が21時からのチェル-リバと被った(自分が加入しているチャンネルでは初回にして最後の放送)ので、監督インタビューを聞いていない。監督・選手のコメントを読んでからナイトゲームの感想を書こうと思うと遅くなってしまう。

ハーフタイムの間、ミシャのコメントを「君たちは何を恐れているんだ」というテンプレを予想していたのだが、意外とおとなしかった。2点差を追いつくためにムチを入れ過ぎて前のめりになるのを恐れたのか。振り返ってみると、ミシャがハーフタイムに厳しい言葉を投げた時は、押されっぱなしの内容の割には同点で凌いだ時だったりしたような記憶もある。
日頃の青山/浩司/柏木のバランスは理論ずくではなく感覚に頼るところが大きそうなので、メンバーを代えたらボールを追い掛けるタイミングやバランスも御和算になるのもいたって普通の現象。付け加えるなら、実は新潟戦も相手ボランチにプレッシャーはかけられてなかったけど、そこからの展開が怖くなかったから無事故に終わっただけかもしれない。
放送によれば、ミシャは柏木に相手SBの上がりをケアするように指示していたらしいが、相手4バックの両サイドに上がってこられると、トップ下が1人だけだと蓋が出来ないのもいたって普通の現象。
セットプレー時に、相手CBがゴール前へ攻撃参加してくると、こっちのFWがマークするのが通常だけど、こちらはMF含めて前線に高さがないので不利なのもいたって普通の現象。テレビではよく分からなかったが、2失点目はカズ×カレン、戸田×中山、ダバツ×大井だったのか。
これまでの柏木は前半消えていながら、相手の疲れた後半から存在感が増すケースが多かったので、今日はどうなるかと思って見ていたが、正直テレビでは「代表その他の疲労が溜まっているいる説」が唱えられるほどでもないように見える。よく分からない。それからミドルシュートが決まらないのは単に筋力がまだ足りないだけじゃないかという気もするのだが、これもサッカー経験者ではないから分からない。昔セレッソに来た外国人監督がモリシにCKを蹴らせて、モリシ本人も困惑していたことがあったような記憶があるが、丁寧に流し込むようなシュートならともかく、ペナの外からパンチの効いたシュートを打つのって、技術や勇気とは別の肉体的な資質を鍛えないと無理なのでは。
後半の開始から流れが良くなったのは、寿人が右サイドで積極的なディフェンスをしたからではなかろうか。前述の柏木がSBのケアとも重なる話だが、相手のペースで試合が進んでいると感じられた時は、ウェズレイだけを前線に残し、柏木/寿人を左右サイドMFにして3-6-1みたいな形でしのぐ時間を作った方が良いのではないかと思う。別に90分間、裏へ裏へと得点を狙わなくても、ましてやカウンターではなくポゼッションサッカーをするつもりならば。4バックのガンバや浦和相手には、試合開始時から寿人をベンチに置いてMFを入れて欲しいくらいだが、多分ない。
選手交代が遅いという声もあるが、そもそもFWは89分寝ていても1分で点を取る仕事をしているわけで、それを80分で代えたら意味がないのかもしれない。ましてや守備が免除されているFWを「前線でのプレスが落ちてきたから」という理由で代えられるわけもなく。相手が1トップ気味になった時点で後ろに3枚は要らないだろうとは自分も思った。後ろに残り過ぎているから返ってマークがずれるというのもあるだろうし。ただそれなら2人残して誰か1人を中盤に上がりっ放しにしても良いし、実際3人がかわるがわる中盤をうろちょろしているようにも見えた。
カズが槍玉に上がっている時期から「ダバツの人を掴まえる能力の無さは異常」と何度も警告していたわけだが、個人的にはあの欧州風の深いタックルが楽しみなので、いつまでも出場して欲しい。最終ラインに置くのはデンジャラスだが、ハードなディフェンスも出来るMF、コリカみたいな使い方が一番向いていると思う。運動量がすごく少ないのかもしれないが、それなら残り30分からの起用でも。何にせよ常に相手選手やレフェリーと何事か話ながらプレーし、何が起きても“This is football”で済ませそうな、あの空気感が堪らなく好きだ。

今日の試合には関係ない二言三言を。今週のサンフ界隈を席巻したミシャの俊介への説教だが(ハギーへの言葉も入っていたはずだが、こちらはあまり話題にならない)、そもそもミシャは俊介をストライカーとしてみていないのでは、という疑問がある。昨シーズン後半に途中投入された時の使われ方は、右サイドのクロッサーだった。中央でドリブル突破を計ってボールを取られたらピンチが広がるとか、守備が手薄なサイドでDF1人を抜いてクロスを上げてくれれば充分であるとか、その考え方は想像出来るが、我々にとって(或いは自分にとって)俊介はドリブラーである以上にシューターである。日本人らしからぬゴール前の冷静さを持った選手をゴールの近くに置かなくてどうする。モギーニョをWBにした大熊氏や高原をチャンスメーカーにしたハンブルガーの監督の考えは理解出来るが、俊介は違うと声を大にして言いたい。まあ手元に寿人と俊介しかなかったら、ミシャが「日本人だってシュートは上手いじゃないか」と勘違いするのも無理はないけど。それはともかく、駒野に3バックの右やセントラルMFをさせたり、一誠を守備的MFよりは攻撃的MFとしてみたり、個人的にはカズや戸田の起用法以上に評価基準が分からない。ミシャを考える時は、戦術云々だけでなく、選手個々の能力をどう考えているのかも想像しなくては。