パロップのブログ

主にTVドキュメンタリーを記録します

CS「第7節・アルビレックス新潟戦」

2007/4/21放送、実況:下田恒幸、解説:風間八宏
新潟の本間&寺川からの展開があまり怖くないのでプレスをかけるまでもなく、いつも以上に0トップ下/3センター気味になり、3-5-0-2の5から相手が掴まえ辛いだろう攻撃参加もあり、守備では相手2トップにプレッシャーをかけられても落ち着いた3バックで、対戦相手という意味でもフォーメーションという意味でも相性の良さが出た試合では。とはいえ、前節の3トップ甲府にもそれほど慌てるようなこともなく、多様な相手に対応出来る柔軟性が出来つつあるのかもしれない。新潟側からするとシルビーニョの欠場が痛いのかもしれないが、個人的には昔から怖かったファビーニョがいなくなって良かったと思う。
このところの新潟は後半の粘りがすごいという噂で、今のサンフも運動量勝負では負けない気でいるし、どっちに転ぶのか試合前から展開を色々と想像していたのだが、実際には、後半、相手の運動量が落ちたところで目立ってくるのがいつもの柏木なのに、今日は前半から目立っていたのでどうしたことかと思った。試合後の鈴木監督インタビューだと新潟はコンディション調整に失敗したらしいが、それでも後半の後半になって新潟が押し気味になったのは、日頃から鍛えた運動量の賜物か。
風間氏がミシャと親しげだったのは、OBとして会ったことがあったからなのか、ドイツ語でコミュニケーションがとれるからなのか。

今日の試合には関係ない二言三言を長々と。他のサンフ系サイトでも話題になっているが、ミシャはどんなサッカーを目指しているのか。徒然なるままに書いたので、文意が分かりにくくなっているが、相互に矛盾はないはず。思っていることは全部書いた。
戸田が自分のサイトで、主力を休ませて若手を起用したアウェイのナビスコ神戸戦について絶賛している(以下に抜粋)。

みんながよく動いてた。動きがつながりボールがつながり、すごく早くていい展開が多かったから取られた後の切り替えも早くて。すごくハイペースな試合になってたから。/前の選手のディフェンスもよくやってくれたし、その分後ろも「コースがわかりやすい中で守れた」っていうのも多かったし。うちも相手もメンバー変えてるから普段のリーグ戦とは違うんだけど、逆に動きが多く出たりとか、コンビネーションがあったりとか、切り替えが早かったりとか、そういう部分がすごく多かったから。/だから全体でサッカーする感じにはなったよ。FWもすごく動きがあったし、そうすると中盤も飛び出せるし。そのままの形でディフェンスにすぐ入って。/平繁と寿人と陽介のコンビネーションはすごく良かったし、そこにうまい具合に桑田が絡み。ダリオの方はちょっと位置が低かったけど、でもディフェンスはしっかりやってくれてたから。面白いチームだったなぁ。/両サイドは盛田選手と槙野選手で、二人ともガッツリ行けるタイプだから、逆に仕事がはっきりして安心して前に出られたし、前に出た時も「ちゃんと守っとけ」って言えば何とかしてくれたから。

戸田は前々監督に請われて広島に来た時から「守る時は全員でプレスをかけて、奪ったら切り替えを早く、なおかつポゼッションを大事にして、リアクションのカウンターではなく、主導権を握った面白いサッカーをしたい」みたいなことを言っていたと思う。昨年後半、ミシャになって結構点数をとって勝つようになっても「ほとんどがカウンターだよ」とそっけなかったし、「ラインが低過ぎませんか?」という質問には「上げられない理由があるんだよ」と返していた。上げられない理由というのはFWからの組織的なチェイシングがないということなんだろうし、それが神戸戦の戦い方を絶賛することに繋がっているのだろう。また、最近はカズがCBに不適格として槍玉に上がることも多いが、先の文章を読むと、戸田はダバツもCBとしての能力は疑っているような気がしている。守備に破綻をもたらさない攻撃的な左WBとしての適性は認めているだろうけど。
ウェズレイと寿人は多くの場面で近い位置をとっており、これは攻撃時には1+1=∞の得点力に繋がるけど、守備時には常時1人少ない人数で試合をしているといってもよいのではないか。そして戸田の横に盛田/槙野ではなくダバツ/カズがいる限り、戸田が目指すサッカーとミシャが考えるサッカーは永遠に相容れない。前線からの守備に約束事がなく、(自主的に追う場面はあるにせよ)FWから守備が免除され、3-5-0-2或いは5-3-0-2のフォーメーションになることが多いと、一般的にはリアクションサッカー/カウンターサッカー一辺倒になるのではないかと思うのだが、最後尾から繋いで繋いで最終的にフィニッシュまでいく回数がかなりあるというのは驚異的なことだと思われる。無駄な手間をかけている結果としてポゼッションサッカーになっているというか、その仕組みのキモがあの3バックなんだろう。一般には2ストッパー(ダバツ/カズ)+1スイーパー(戸田)と思われがちだが、ミシャの考えだと3人が同等にマーキングとカバーリングと組み立ての仕事をこなせなければならないはず。よって「相手FWにスピードと高さがあるのでカズに代えて吉弘」なんてことは有り得ない。そういう1人を入れ替えてより守備に重きを置くなんてのは、哲学として有り得ない。
ミシャはジーコに似ている(一応断っておくと悪口ではないし、自分はジーコを無能とも思っていない)。自分のクラブにいる選手を観察し、順列を決める。各々にふさわしいポジションへ配置し、後は個々がアイディアを発揮し、ミスを恐れず、連係を高める。本番で実力が発揮出来るよう選手を叱咤したり、モチベーションを上げる手腕はあるのだろう。練習を見ているわけではないので決めつけてはいけないが、組織的な守り方を構築しているわけでもなさそう。そう考えると、選手兼指導者として若手を厳しく鍛えた鹿島時代のジーコなのかもしれない。
仮に「ボールを扱う基本能力が高い10人をピッチに並べたい」というのがミシャの考えだとすれば、戦術家からみれば矛盾するようでもウェズレイ外しもカズ外しも有り得ない。そして守備に回ったときは8人が一旦ベタ引きになるまで戻り、奪ってからはFW2人へのカウンターが出来なければ、最終ラインから手間暇かけてゴールを目指す非効率的でエキサイティングな攻めをする。その広大なスペースを埋めるのは運動量とファイティングスピリッツ。そのためにキャンプから厳しい走り込みを行ってきたし、メンタルケアもしてきた。それにこちらがボールと主導権を持っている時間が長いので、小野監督時代と違って意外と疲れない。というのが結論。