パロップのブログ

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オシムのノルマを勝手に考えた

以下の文章は、正月に実家で『イビチャ・オシムの真実』を読んで思いついたことをグダグダと放置しつつ、ようやくまとめたもので、日程等を検索するのにかなり苦労したわけだが、今日『サカマガ』『サカダイ』を立ち読みしにいったら、代表の今期日程やらオシムのインタビューやらが掲載されており、遠回りにして茨の道を歩いた気がしないでもない。日程に関しては、Jリーグ公式サイト(http://www.j-league.or.jp/schedule/)が一番分かり易いことにさっき気付いた。
イビチャ・オシムの真実

イビチャ・オシムの真実』にはこうある。

私は、欧州クラブでプレーしている選手達を無理に招集する必要はないと思う。少なくとも目前に迫った2007年アジアカップに関しては。(中略)日本代表の試合で結果が伴っているうちは、私の戦略は容認されるだろう。しかし、結果が期待外れとなった時、欧州組を使わなかったという理由で私が最初に非難されることは覚悟している。これはひとつのリスクである。しかし、何度も言っているように、リスクチャレンジなしには勝ち得るものは何もないのだ。〔P.172-173〕

このインタビュー時点では、全く海外組を招集する気はなさそうだが、『サカダイ』のインタビューを読むと、3月に海外組が合流するのを楽しみにしていると答えているようだし、様々な事情から招集が既定路線なのだろう。個人的にはアジアカップまでは海外組抜きで良いし、ノルマもいらないと思っている。日程的なことをいえば、5月27日(第13節)から6月16日(第14節)まで空いているから多分キリンカップ。その後、Jリーグの再開を挟んでアジアカップが7月7日〜29日。欧州組は5月末まで国内リーグでプレーした後、6月初めから7月末まで代表に拘束され、その後、セルティックチャンピオンズリーグ予備選に参加とかなったら、オフ無しで20カ月連続という頭がおかしいことになるが大丈夫か。ブンデスは少しリーグ戦の仕組みが違うようだが、フランクフルトがインタートトカップに参加となれば、似たような悲劇は起きるだろう。そもそも、これまではワールドカップの中間年にアジアカップと五輪が終わると「さあ仕切り直し」という空気があったけど、今回からアジアカップが1年前倒しになったことでこれまでの基準で計れなくなったはずだし、前例に倣う必要はない。
アジアカップまでは監督にフリーハンドでやってもらい、その結果を受けて監督と技術委員会とが課題を総点検する。代表選手を全員集合させて一つのチームにするのはそれからでも遅くない。9・10・11月の国際マッチデイに短期的な課題をクリア出来るかテストする。これがノルマ。長期的なスパンで考える監督にとって目先の課題にこだわるのは馬鹿馬鹿しいことかもしれないが、監督は単年度契約みたいだし、「4年間ノルマ無しでノーチェックだと駄目だ!」という批判に応えるためにも、そこは信念を曲げてでも技術委員会の建前に従ってもらう。もっとも、分析マスター小野剛委員長のピントがずれてて監督のモチベーションが下がったり、8月8日(水)辺りにスポンサー主導のバカ試合が組まれると、流石に愛想を尽かされそうな気もする。8月4日(土)はJOMOオールスターだが、おそらく8日は五輪代表壮行試合だと予想。
国際マッチデイのどこかで欧州遠征をして欲しい。対戦相手はユーロ予選のために最強メンバーを招集しており、なおかつ土曜と水曜のどちらかが空いている強豪国。そこそこやる気になった一流欧州国との戦い方をチェックする。9月は8日(土)と12日(水)。Jリーグも9月2日(日)から15日(土)まで空けてある。10月は13日(土)と17日(水)だが、ナビスコ杯の準決勝が10月10・13日にある。いくらなんでもカップ戦の大詰めと代表戦を重ねることはなかろう。10月13日にチェコクロアチア、17日にイタリアと対戦するのを望んでいたが無理そう。11月はおそらく17日(土)と21日(水)が国際マッチデイのはずだが、Jリーグは17・18日も行われるようだ。おそらく21日前後にホームで1試合することになるのだろうけど、せっかくの機会だし11日(日)にはクラブから解放されるだろう海外組のみを全員招集してトレーニングキャンプをしたら面白そうだ。そんなわけで遠征に行くならば、9月しかないだろう。具体的には、9月8日はベルギーウクライナ、ギリシア、アルバニア、12日はドイツ、スウェーデンルーマニアイスラエル辺りが空いている。交渉の結果、物足りない相手としか組めないようだったら、欧州で南米やアフリカ(と思ったが、9月9日にアフリカ選手権の予選最終節があるのでアフリカは無理そう)と対戦するもよし。いっそのこと、開催国で予選のないスイスとオーストリアにお手合わせを願ってもよかろう。オーストリアは「オシム凱旋」にもなるだろうし。ただ、オシム自身が「オーストリアと試合をやっても強化にならない」と言い出しそうな気もする。
9月の欧州遠征の後、10月か11月には、欧州組を呼び戻して、アジアカップで負けた相手、或いはアジアカップで優勝した国と対戦し、ここではアジアのライバルと勝敗にこだわった戦い方が出来るのかをチェックする。難しいのは、五輪最終予選が8月22日から11月21日までホーム&アウェイであり、無駄に国際カレンダーと日程を揃えていること(8/22、9/8,12、10/17、11/17,21)。監督だって進退が掛かっているならベストメンバーを揃えたいだろうけど、日本の慣習だと五輪予選を捨ててA代表には呼べないし、そもそもA代表と五輪代表の試合が同日に行われたら、テレビ局もやりずらかろうし、観客も大変だ。五輪最終予選が中東アウェイだったら、A代表を国内ゴールデンタイムに設定し、夜中に五輪代表の放送。逆も然り。いっそのこと、反町監督には泥をかぶってもらって2次予選敗退という手もあるが、日本ではまだ「もう五輪なんかどうでもいいじゃん」とはいえない。
最後に自分の心情的な理想を書いておく。「全ては2010年のために」「親善試合は実験室」という考え方は尊重されるべきだろうが、それでも1年に1試合くらいは国内でベストメンバーで素晴らしい対戦相手と記憶に残る試合をしてもらいたい。1996年のメキシコ戦だとか2001年のイタリア戦だとかワールドカップと直接関係がなくとも「良い代表だった」といつまでも語りたい試合があってしかるべきだし、また、ワールドカップ年以外の年にピークが来た選手も脚光を浴びて欲しい。イングランド代表の右サイドは95〜98年までアンダートン/レッドナップ/マクマナマンベッカム辺りで交互に活躍していた記憶がかすかにある。ワールドカップ以外は全て経過・道程というのではなく、それぞれの年にそれぞれのベストメンバーが存在して欲しい。そういうわけで、11月20日(火)にA代表が海外組を含めたベストメンバーでそれなりの相手に好試合、翌21日に五輪代表が(ホームかアウェイか分からないけれど)A代表の余勢をかって本大会出場を決め、みんな大満足で監督も契約更新、となれば万々歳だ。