パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

『ハイビジョン特集』「9.11 ニューヨーカーたちの5年」

2006/9/11初回放送、110分、撮影:夏海光造、取材:平田潤子、ディレクター/プロデューサー:田口和博、制作統括:鳥本秀昭/北川恵、共同制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/テレコムスタッフ
スティーブン・マドリック氏と夏海氏が9.11直後に取材した人々を5年後の2006年に再び訪れる。市井の人々の軌跡を追うマドリック氏の心情こそが番組の焦点であるともいえる。番組だとマドリック氏が自発的に取材に出たように描かれていたが、実際は夏海氏等が「あのとき取材したテープがお蔵入りしたままじゃないか。責任をもって世に出せよ」とハッパをかけたのではないかと推測してみる。そして、一旦発表するタイミングを逃したVTRを活かすために考えられた策が、その後の彼らを取材することだったかもしれない。ジャーナリストは被取材者に対して、聞いたことを世に出す責任を負っているとすれば、大変な職業だ。
夏海氏は著名なドキュメンタリー撮影監督。技術的にどう優れているのかは分からないけれど、大きなカメラで人の顔を正面から撮りながら、その相手が自然な形で話すことが出来るというのも必要な資質なのだろう。