パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

モーニング娘。 コンサートツアー2006秋

2006/10/14(昼)、倉敷市民会館
地方在宅ヲタを長いこと続けている割に、本体のコンサートに行くのは初めてだったりする。いまハロプロに関する無駄に長い書きかけの文章が3つくらいあり、本人達を生で見てしまうと論調も変わってしまうかと危惧していたが、多分あまり影響はない。仮に影響があっても基本的にはテレビ上の空論で通す予定。
当日は、午前中に吉澤さんの講義音源を聞いて(当日のMCに早稲田の話がなくて残念)、午後2時過ぎに家を出発。確か当日券は二階席のみで、中央部分がファミリー席、サイドは一般席だったと思う。FCチケットとそれ以外という区分だけだと思っていたら、それ以外に前売と当日があって、券には6800円と印字してあるのに、当日券は7300円だった。ちと高い。二階席の後ろはロープを張って閉鎖。

事前にセットリストをみて、知らないのは新曲2曲だけだと思ったが、『YAH!愛したい!』も分からなかった。アンコールで新曲が流れるまで『YAH!愛したい!』を新曲だと勘違いし、「客がリピーターばかりだからと思って、新曲の紹介MCも無しに淡々と披露かよ」と思っていたのは恥ずかしい。『ベスト2』を持っていないのがバレバレ。
前述の通り、本体のコンサートは過去DVDでしか見た事がないわけで、DVDは大抵アリーナクラス以上の特別セットなわけで、この日見た地方会場スタイルとDVDを通じて脳内にある大会場スタイルを比較するのは難しい。なので、おとめコンDVDをイメージしながらの観賞となった。
始まってみると、狭いステージを二階席から見下ろしているにもかかわらず、8人全員の動きを追うのは不可能だと判明。特別な推しがいるわけでもなく、全体の流れと個々の動きの両方を全て把握したい人間は、それこそ8〜9回は足を運んでしまうものなのかもしれない。実際には、各自の少人数コーナーがあるから、そこまでの回数は要らないだろうけど。
ということで、歌声に関しては現メンバーの中でダントツにお気に入りである亀井さんは6割くらい、エースであるらしい高橋さんを3割、全体を1割くらいの感覚で眺めることにするが、亀井さんは動きも面白かった。何というか、性格の暗い子が開始前に舞台裏でスイッチを入れて別人格になってテンションを上げている感じ。下手とかずれているとかじゃない奇妙な感じ。基本、ダンスというか振り付けにはほとんど興味がない自分だが、序盤にある『マンパワー』の原初的な踊りでは、意識しなくても自然と亀井さんに惹き付けられてしまった。
目をひく動きに比べると、期待していた歌の方は、正直まだまだCDアーティストな感が否めない。他のメンバーと被らない、自分の特徴を出すという意味では、さゆなんかの方が声が通っていた気がする。他にガキさんれいにゃも声が埋もれ気味に聞こえた。れいにゃなんか歌い方にも声質にも特徴があるような気がするけど、ぶつ切りのソロパートで耳に残る声を出すというのはなかなか難しいことらしい。
やや期待はずれな面もあったけど、その中ではやはり『恋ING』が聞けたのは嬉しかった。辻&石川で聞いたハロパの『恋ING』も良かったけど、本家は流石。亀井さん本人は『100KISS』とかこの曲のようなゆっくりした曲の方が得意なんだろうか。さくら組だったし。それでも“今まででいちばーん”から“無限の情熱がある”“ヨットパーカー”まで、亀井さんのフレーズが大好きな自分としては、コンサートでもあのクオリティを聞かせて頂きたい。
ソロパートといえば、確か『いきまっしょい!』で吉澤の“あの子の人気の秘訣”を聞いたときは妙に嬉しくなった。メンバーの1人が卒業すると曲のパートも受け継がれるのがモー娘の伝統らしいが、逆に卒業しなければいつまででも自分のパートを受け持つわけで、その辺は妙に律儀。ソロパートというのは、何となくその時々のグループ内ポジションを反映しているわけで、あの頃の吉澤と今の吉澤とでは娘内ポジションも大いに変化した中でソロパート割がそのままだとバランスが悪い感じもするのだが、そのバランスの悪さこそがちょっとしたアクセントというか歴史というか、妙な嬉しさの要因。
巷で聞かれる今回コンサートへの悪評は、大抵の場合、個々アピール曲がダラダラと続く中盤部分にあるのだろうし、その声はよく理解出来る。その中で、生産性のない擁護をするとすれば、(1)昔はもっとひどかった。つい2年前までカントリーやココナッツが帯同してたし、変なミニゲーム大喜利もどきもあったし、その前はタンポポ/プッチ/ミニモニ/中澤コーナーだったやん。純度は上がっている方じゃん。(2)物理的に考えて、約110分間、8人が出ずっぱりで歌って踊れるわけがない。質を保つためには途中に交互に休憩せにゃなるまい。『マンパワー』『シャボン玉』『ラヴピ』『ウィアアラ』を連続でフルコーラスやるのは誰でも無理だろ、辺りか。もう少し生産的な擁護をするとすれば、(1)いまやモー娘といえばユニゾンとぶつ切りパート割だけど、もっと1コーラス2コーラスじっくりと1人による歌を聞きたい人もいるんじゃないのか。それ用の「持ち歌」がないんだから、昔の曲をリサイクルしたって良いじゃない。(2)それとも、8人それぞれにクオリティ低いソロ曲を作ってファンクラブで販売しつつ、それをコンサートで1人ずつ順番に歌う中だるみタイムを作れば良いのか、辺りか。
かつてのモー娘がエースから脇役までキャストの組み合わせの妙で全体を統一していたとすれば、今は「ソロボーカリストの集合体」という面が強いから、CDではぶつ切りパート割でなんとなく全体をみせることが出来ても、コンサだと振り付け等の動きで一体感をみせるしかないが、それだと1人だけが歌っている時でも残りの全員が舞台に残って何らかの振り付けをするべきだということになってしまうが、それは体力的なことを考えてもなかなか難しい。恐らく『色じれ』みたいな見せ方が現体制のベストだと思うのだが、その系統ばかりというわけにもいかないだろうし。
首都圏近辺でやるコンサはB面/アルバム曲が目白押しのマニアックかつディープなコンサート、地方でやるコンサは大ヒットシングルのオンパレード、みたいな感じで構成したらどうだろうかと思う。地方のファミリー席にいるお子さんが「ほとんどの曲シラネ」みたいな顔で見ているのはやはり寂しい。