パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

自分の事

自分が大学生の頃、局地(ダメ男どもが集結していた辺り)的に『海が聞こえる』のブームが起こったのだが、その流れを汲むとおぼしき『時をかける〜』を観に行こうと調べてみたら、何と単館系だった。全く東京人どもは地方の苦労も知らずに、ネットで大層な評判ばかり流しやがって。幸いにして、岡山が誇る単館系映画館シネマ・クレールで9月に上映されるので久々に映画館へ行くつもり。
買った人間は全員ブログをやっているのではないかと思うほどネットの評判と実際の売り上げが乖離しているPerfumeのベストに付いているPV-DVDを消化。『エレクトロ・ワールド』の出来が出色というか完成形。これで思い残す事なく解散しそう。『モノクロームエフェクト』は曲だけの方がイメージが広がるというか、PVは見なかった方が良かったかも。そういえば、この曲が発売された当時「田村亮子にそっくりな奴がいる」と話題になった記憶がある。未だ3人の名前は覚えられないが、みんなそれなりに可愛くなっている。余談だが、『エレクトロ・ワールド』だけ何で中黒が入っているのだろうか。
グレッグ・ダイク『真相―イラク報道とBBC』を県立図書館に返却。基本的には地方新聞の記者から民放テレビの制作者を経てBBC会長にのし上がった男の回想録だが、立身出世伝と経営哲学の披露とハットン報告書への激烈な反論が相互に関連する事なく並んでいるので印象がぶれる。「こういうのを翻訳した場合『日本の読者にとって興味が薄いと思われる章は割愛』したりするものだが全訳かよ!」と思ったら、これでも割愛した章があり、その部分は親切にも翻訳者である平野次郎氏による要約が足してある。若い頃の破天荒な武勇伝が一番面白くて、BBCでの意識改革なんかは飛ばし読み。ダイク氏は熱狂的な労働党支持者だが「資本主義下で企業は労働者を搾取するという前提は間違いだ。これからの企業は従業員のやる気を引き出すようなマインドがないと生き残っていけない。つまり企業は国営化なんかしなくても民間のままで良いんだよ」という発想が、いかにも企業人らしい社会主義解釈。そんなニューレーバーなダイク氏がスピンドクターを使っての情報戦ばかり重視するブレア流に失望していく様も面白い。ダイクが1947年生まれ、テレビ局でダイクの同僚だった事もあるピーター・マンデルソンが1953年生まれ、タブロイド紙の記者からブレア側近にのし上がったアレステア・キャンベルが1957年生まれ。労働党を軸に、それぞれに共通の友人がいて、お互いに憎しみあい、メディアと政治の世界で絡み合う。この辺りの物語をNHK山本浩氏に書いて欲しいところ。本書はNHKから出版されているが、多分NHK内部では政治から独立してジャーナリスティックに振る舞うBBCなものを信奉する人と、自民党と結んで愚民どもを導きたい権力志向な人とがせめぎあっているのだろう。その他、気になったのは、放送局が電波を独占しているのではなく、テレビ制作会社に一定の番組枠が開かれ、それを競争入札で買うというシステムがなかなかユニークで気に入った。ぜひ日本でも導入して欲しい。