パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

『広島Y対作陽』

2006/5/27、福田公園陸上競技

見学者が少ない会場だし、界隈の一助となるべくレポートの一つでも書いておくべきか、あるいは数が少ないからこそ先入観を与えるようなレポートをすべきでないと考えるか。迷うところだが、どうやら広島ユース系大手サイトが詳細を更新されていたので、こちらは気楽にレポを残すことにする。ちなみにユースの試合をみるのは今年初めて。

岡山市方面から古城池トンネルを通って福田へ向かう。中学生の頃はチャリであの坂を登ったというのに、今回はボロ車で登り切れないかと心配した。

ネームバリューに騙されやすい自分なので鵜呑みにされては困るが、今は遊佐と野田のチームかなと思う。
遊佐は能力を持て余し気味というか、DFの前で止める仕事は完璧に近いし、奪ってからは前線の4人のうちで最も確実にフリーな選手を探してパスをするので、カウンターを食らうようなミスパスもない。チーム状況からいってこれ以上難しいパス選択にチャレンジする理由はないし、このままユースに残って何を伸ばすのだろう。それなら、自分より能力高いトップチームに入って磨いた方がといいたいところだが、飛び級は高萩で懲りている面もあるし、結局、トップチームの新監督が気に入っている間、特に夏休み中はトップの練習に呼ばれ、秋以降はユースでタイトル狙っていこうというところか。
野田は森脇ほどの爆発力はないけど、相馬(鹿島の方)のような聡明さを感じた。左の方で遊佐や佐藤がごちゃごちゃと繋いで相手を寄せたところで、フリーの野田にサイドチェンジのパス、そのまま野田が持って上がって正確なクロスという良い感じの場面が何度かあった。もっと早くプレッシャーを受けるとそれほど簡単にはクロスも上がらないのだろうけど、チェコっぽくて好きな作り方だった。
2ちゃんのユーススレなんかで「後ろで奪ってアバウトな縦ポンサッカーは止めろ」という批判を読んだけど、個人的には奪ってから2〜3手で前の4人まで渡る早さは好きだし、あの早さは無理に急いでいるとか、格下を技術で上回っているから可能とかではなく、数手先を考えている判断力の賜物ではなかろうかと。後はカルテット・マジコだかファンタスティック・フォーだかが個人技で勝負するのは当然。
平繁は左ウィングのように張ってドリブル勝負の繰り返し。横竹は中央で前後し、ポストになって藤澤/保手濱の飛び出しを誘う。横竹はサッカー脳がありそうというか、いろんなポジションをさせてみたくなるのも分かる。「日本には世界に通用するストライカーがいない」というが、世界に通用するディフェンダーも実質いないわけで、井原・松田・(福西)というFW→DFの系譜を継ぐのも悪くないと思う。海外に行って大金を稼ぐならFW、日本代表として10年プレーしたいならDFみたいな選択。
試合の途中で、篠原がCB→DH、岡本がDH→CBだったか。大手サイトさんの名鑑をみると、2人ともFWとかトップ下とか2列目と書いてあるのに、いろいろやらせるもんだ。後半の後半、遊佐と野田を交代させた辺りからグダグダになってきたけど、3年生の主力から1年生に代えてもチーム力が一緒だったら、その方がどうかと思うので、こんなもんだろう。

作陽は昨年同様、1トップに背が高くて足元も巧い背番号9を置き、テクニックのある2列目がムービングするまごうかたなき筑波大サッカー、日本ユース年代本流サッカー。まあいってみれば広島ユースも筑波閥だから、別に師匠が一緒だから路線まで一緒でもないだろうが。余談だが、今度五輪代表コーチに就くらしい井原氏は、解説を聞いていても全然サッカー観が分からないのだが、やはり目指すは筑波閥サッカーなのだろうか。
序盤で失点してパニックになった結果、能力以上の点差がついてしまったのかもしれないが、野村監督は自己修正能力を試していたのか、ほとんど黙って座ってみていた。いわば小野剛風。立ち上がったのは、9番に「もっと前線から追い回せ!」と言ったのと、平繁に翻弄され、激しく潰すでもなく、じっくりついていくでもなく、ドリブルがスタートしてからファールで止めるしかなかった中盤の選手に、激しさというかプレーの意図を求めるような檄を飛ばしていたくらい。
右サイドで小柄ながらキュンキュンと突破を試みていた16番が良かったが、ハーフタイムで交代。その後、ベンチ裏で足を冷やしていたが、それは怪我かもしれないし、単純にプレー後の通常処置だったかもしれないし、素人にはよく分からない。とにかく、ちょっと作陽らしくないタイプの選手で、もう少し見たかった。
まあ、出ていたメンバーが主力だったのかどうかも分からないし、近い日程で他の重要な試合があったのかもしれなし、その辺は知らないチームだから話半分で。