パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

国体少年男子「準々決勝・東京対広島」他

金曜日は開会式を観に児島マリンプール、土曜日はサッカー成年女子を観に邑久スポーツ公園、日曜日はサッカー少年男子を観に灘崎町総合公園へ行く。朝も早くから虚弱体質にはきつい日程だった。日に焼けて腕と首が真っ赤だし。
35分ハーフとはいえ、1回戦から決勝まで4〜5試合を連戦で行うという過酷な日程なので、これを以て選手個々の評価するべきではないだろうが、折角観たので軽い感想もろもろを。ちなみに、選手登録は16人で、交代は5人まで。それから17〜20分頃にプレーが切れたところで、レフェリーが水分補給タイムを指示する。

準々決勝「岡山対鹿児島」(成年女子)
岡山は湯郷Belleが主体の混成チーム、鹿児島はクラブチームと日本一になった事もあるらしい高校生が主体の混成チームだが、1回戦でL1リーグ所属東京電力を破った謎のチーム。
現地に到着したら、開始1分頃に岡山が先制したというアナウンス、これは楽勝かと思っていると、前半終了間際に鹿児島が同点に追いつく。
ハーフタイムに鹿児島のベンチ裏に行くとコーチの「番狂わせを起こそうぜ」という意気盛んな掛け声が聞こえてくる。L1リーグで負けてばかりのBelleを知る身としては、格上である気が全然しないのだが、よく考えてみれば、国内最高リーグに所属して日本代表選手までいるのだから凄い事。とはいえ、鹿児島にだってU18代表の選手は結構いるので、雲の上の相手というわけではない。「やや格上」くらいだ。
鹿児島は選手16人以外には男性3人のスタッフがいるだけで、本当に手弁当な感じ。男性は20〜30代の兄ちゃんで、若い頃は高校サッカーでモテモテ、実業団でサッカーを続けつつ、頼まれて女子サッカーの面倒も見る、という感じか。面白いので、終了時まで鹿児島ベンチ付近にいた。審判へのクレームなんか見るとかなりガラが悪いし、選手もレディースヤンキーみたいな子もいるけど、プレーはフェアでひたむきで好感が持てる。延長に入って決勝ゴールを上げた後、タッチライン付近で足が攣った選手はゴロゴロ転がって自分からピッチ外に出るし、控え選手が総出で攣った選手の足を押しているし、ジャイアントキリングにふさわしい雰囲気だった。
Belleの方は、準決勝以降も見据えてサブメンバー起用したら予想外にリズムが悪く、同点に追いつかれて更に動揺、後半になって主力を投入するも悪いまま、焦りと空回りが加速。実際、かなりラフなファールしまくりだった。レフェリーも随分地元贔屓していたと思う。確かにL1だともっと激しい当たりがあるのかもしれないし、格下に負けられないというプレッシャーもあったのだろう。水戸のトゥーリオ天皇杯で高校生相手に肘打ちを放っていたのを思い出した。
巨大地元紙のBelle番らしい記者が「明日からどこへ取材に行けば良いのやら…」と途方にくれていた。国体前に紙面でファジアーノやBelleの話題を煽ってくれた功績には感謝の意を表したいが、スポーツの結果は新聞屋の思い通りにはいかんのだよ。

準々決勝「東京対北海道」(成年女子)
こちらはベレーザ単独の東京が順当に圧勝。ベレーザの選手は皆巧かったが、トラップは左SBの宇津木が特に巧かった。前世代を凌駕する技術を持った選手が育ちつつあるのならば、積極的に活用したいだろうし、代表監督が宇津木を呼びたくなるのも理解出来る。
ビッグネーム揃いのベレーザ攻撃陣の中で10番伊藤香菜子は初めて聞く名前。ポジションはスリーセンターの左。高い技術を持っているが、派手な事はせず、計算出来る駒という印象。クラブでは澤さんがいるから出ていないのかと思ったが、どうやら7番をつけているらしく、多分同じポジションをしているのだろう。代表で出た時は注目したい。
荒川や永里を生で観たわけだが、電柱というよりは、高さを備えつつ前を向いてのドリブルが好きなFWという印象。という事で田中静佳(湯郷Belle)の電柱っぷりは日本一。
北海道は円陣組んでの掛け声が「がんばっていきまっしょい」だった。
http://www.2002world.com/index.htmlにこの日のレポートが掲載されているが、あのガラが悪い鹿児島のおっさんは高校の監督だった。情熱があるって素敵だな。

準々決勝「千葉対静岡」(少年男子)
珍しく道に迷わなかったので、1時間前に会場到着。両チームのアップから見る事が出来た。千葉はポジション別に細かい動き方の確認などをしているのに対し、静岡は全員を3つのビブスで分けて、2つが連合して1つを相手にボールを動かす練習。こういう形式の練習をみていると、静岡はディフェンダーまで足元も滅茶苦茶上手そうな気がしてくる。
前半は、仮設スタンドで前日千葉に敗れた鹿児島の選手たちに囲まれて観た。キャプテンらしき人が「9番、10番、15番が静学だから、よく見とけ」と言っていたので、近い内に対戦するのかと思って帰宅してから調べると、高円宮杯鹿実と静学が同組。
とにかく、千葉の9番が突出してうまい。ボールタッチというかトラップが抜群。レイソルユースの船山というらしい。選抜チームというお山の大将が集まるなか、各々のボール扱いをみて自然と一番上手い奴が中心になるみたいな光景を思い浮かべた。
それから右SBの2番流通経済大付柏の石川がオーバーラップのタイミングやら縦へのスピードやらが良かった。
静岡の10番は主に左攻撃的MF。でかいのにそこそこ器用で、フリーキックの精度は高かったけど、とりあえず転けてファールを貰いたがるようで、あまり伸び代があるようにはみえなかった。
後半は次の試合のアップを見ていたのと、突然のスコールであまり見ていない。千葉の監督が判定にぶちきれて退席処分を食らっていた。観客席のおばちゃんが試合後に携帯電話で「審判が静岡寄りでひどかった」と話しているのも見たし、静岡へのライバル意識というか、静岡贔屓への不信感みたいなのを千葉側から感じた。前半を見た限りだと、そうひどい判定はなかったと思うのだが。

準々決勝「東京対広島」(少年男子)
広島は先発にサンフユース5人、観音高4人、皆実高が2人。高校生のうち、サンフJr.ユース出身者が3人。後半、負けている展開から横竹、平繁、遊佐を次々と投入。最初は日程上の都合で先発をターンオーバーで使っているのかと思ったが、1回戦、2回戦も中盤はほぼ同じ構成だし、実力でこのメンバーなのだろう。しかし、今年のユースがあまり強くないのを差し引いても、国体チームの中盤はボールが回らない。柏木の後ろに並ぶ6番/7番/8番の高校生トリオは1対1でボールを奪う場面ではそれなりに強いし、ボールを持てばそれなりに突進力もある。恐らく技量ではユース組と変わらないのだろうけど、判断が遅いような気がした。2、3手先を読んでプレーしていないというか。これだとプロ予備軍多数の東京相手だと苦しいだろう。国体選抜が試合に負けたと言って、これはユースとは別物と考えて良かろうというのが結論。
噂の森重は、ユースの福本を超える程の力量があるようにも見えなかったし、ましてや高校3年時の青山や田坂よりも能力があるとは思えなかったが、それはこの日程の中でプレーしているのだから、仕方ないのかもしれない。
公平を期していうと、この日は柏木もさっぱりだった。いつものパスを出すタイミングで味方がいなかったという好意的な解釈も出来るけど、パスの出し所がなくてもたもたしている内に囲まれていた。本人のキレ自体もあまりなかったようだし。パスを出す視野みたいなのは流石と思う場面も何度かあったのだけれど。
残り10分で森重を最前線に上げ、残り5分で槇野を最前線に上げるスクランブルがなかなか面白かった。これぞトーナメントの見どころ。スクランブル時の横竹は左SBに入ってクロスボールの供給役。入ってすぐはFW扱いで、ふてぶてしさが嘉人に似ていた。平繁はあまり体が大きくなっていない印象。遊佐は途中交代で入ってから、うまく試合のリズムに乗って中盤をよく潰していた。教えて身に付くものではないであろうチェックに行く距離感なんかは、今野さんと似たような素質の持ち主かもしれない。
一方の東京はFC組とヴェルディ組が主力なんだけど、コンセプトはワイドに展開するFC側の意向が強そうだった。試合前も同じクラブ出身者でつるんでいたし、選抜チームはそんなものか。噂によく聞く弦巻なんてほとんど活躍する場面なかった。玉乃並に細かったけど、プロでやっていけるのだろうか。他には、並み居るプロ予備軍を抑えてFKを蹴っていた左SBの3番織茂が気になる選手だった。