パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

WOWOW『チェコ対ラトビア』

2004/6/16放送
アディダスの新魔球で練習をしていないのでは、という疑いあり。特にポボルスキ。噂ではストレート系のボールを強く蹴ると伸びて浮くらしい(逆にいうと、曲げてくるフリーキックなんかは結構枠にいくようだ)。
この間のフランスと違って足下へのパスを繋ぐだけではなく、ドリブルでラトビアディフェンスを揺さぶったり、やっていることはそう悪くなかった。だからといって負けて悔い無しというわけではもちろんないが。
形式的には左サイドのスペースを埋めなければならないはずのネドヴェドが自在に動くためにポッカリ穴が空く(フランス代表のジダンと同じ現象か)。それをバロシュが下がって埋めるべきなのか、ガラセクが中央を放棄してカバーに行くべきなのか、ヤンクロがサイドに開いたラトビアのFWにつくべきなのか、どんな約束事があるのか、外からはうかがい知れないので、何ともいえない。ただ左サイドにスミチェルを投入してネドヴェドを中にもってくることでバランスが良くなったのは確かだし、ネドヴェドも思い切ってディフェンスにも戻る事が出来ていたように思う。しかしそれなら最初からその布陣で行けよ、と思わなくもないが、どちらにせよ、両SBにヤンクロ&ポボルスキとか面白布陣を敷くことが出来るのは今日のゲームだけだろうから、参考にならない。
ロシツキーが面白いこと言っている。

あのままだと愚かな引き分けで終わるところだった。ガラセクがボールを何度も失って、リズムが悪くなったから。後半に入ってガラセクが交代してからは、ミスも少なくなった。
http://www.wowow.co.jp/euro2004/news/sw/0616_6.htm

酷い奴だ。受け手の動きが悪いからボールを奪われたという発想が全然無い。「お前がガラセクの近くでボールを貰って展開する場面が全然なかったのも苦戦の原因の一つだろうが」と言いたくなる。確かにガラセクを代えて前にスミチェル/ネドヴェド/ハインツを並べ、その後ろにロシツキが1DHにしてからは随分と安定したのも事実。流石守備には定評のあるロシツキ。しかしこれはスクランブル布陣であって、他国との試合で使うことはないだろう。
実は代表での大きな国際舞台は初めてのガラセク。柄にもなく緊張していた可能性もないではない。
コラーの調子が悪いのか、相手(主にステファノプス)が良かったのか、足下への楔のボールがあまりに見え透いていて研究されていたのかは分からない。いつもはもっと足下に入ったボールをキープしている時、後ろから足を蹴られてファールを貰いつつも、痛がってゴロゴロ転がるのだけど。
ラトビアは素晴らしかった。恐らくチェコのビデオを見て研究を重ねたのだろう。もちろん日本戦も大いに参考となったはず。ウイファルシとボルフの位置が中途半端だから、ボールを奪ったらどこに出すか、受け手はどこに走り出すか。そういうパターン練習に時間を割いたのだろう。だが日本代表には楢崎がいて、ラトビア代表にはいなかった。これでチェコヲタの「日本戦は3バックだったから」「右SBにポボルスキだったから」といった弁解が言い訳に過ぎず、広大な両サイドを利用されたカウンターに弱い事がはっきりした。まあ今日みたいな形になる試合はEURO期間中は、もうないだろう(イタリア相手に食らいそうな予感はあるが)。しかしラトビアは残り2国への対策は出来ているのだろうか。「対チェコスペシャル」はオランダにも使い回しが可能っぽいが、あそこは最終ラインの顔触れが予想出来ない分、対策立てにくいし、ドイツがあのカウンターを食らうとも思えない。何とか一泡ふかして欲しいのだが。
どうでもよいことだが、実況板なんかをみると、未だにキーパーチャージがあると思っていたり、ボールの一部でもラインにかすっていたらインプレーだということを知らない人が、買収だの誤審だの書いている。韓国にクレームをつけていた人の大半も実はあまりルールを知らなかったのではと今更ながら済まない気持ちになってくる。ホアキンのアレはラインを割っていなかったけど。