パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

『〜自らを語る』シリーズ

ETV『マイケル・ダグラス自らを語る』(8/13放送分、2001年製作)。ダグラスの持つ嘘臭い大物感の根拠を探る企画。ニューヨーク生まれ、幼少時に両親離婚で、父カーク側についていかなかったのだから、多分ダグラスを名乗っていないはず(というか、父親も本名はダグラスではなく、ロシア系ユダヤ人な名前だったはず)だから、この名前を使用していること自体、「七光りでも何でも使えるものは使ってやろう」感は拭えない。大学の同室がダニー・デビートで今でも親友。関係ないが、アメリカの高校・大学話で登場する演劇関係のスケールがうまく掴めない。やたら資料映像が残っていたり、その時の評が書いてあったり、教えている顧問がある程度その道で名が通っていたり、何か商業演劇の下部組織のような印象を受ける。高校生ドラマを見ていると、放課後の課外活動というよりは、単位のある授業の一環だったりするし、日本の高校演劇部から想像される(あくまで想像)レクリエーションというか学芸会とはちょっとイメージが違う。話は戻って、大学卒業後、テレビドラマで茶の間の有名人になり、23歳にして『カッコーの巣の上で』でオスカー・プロデューサーになる。ソウル・ゼインツとも出会う。その後『ロマンシング・ストーン』で俳優のキャリアがやっとスタート。ベン・アフレックマット・デイモン的なキャリア・アップともいえる。『ロマンシング・ストーン』は痛快娯楽活劇だと思うのだが、賞にもノミネートされ、スタローン&シェワルツネガーへの道を回避する。『ウォール街』(オリバー・ストーン)、『危険な情事』(エイドリアン・ライン)、『氷の微笑』(ポール・バーホーベン)と演技的評価を受けたのか、興行的話題作なのかはっきりしない作品で地位を築く。番組は『トラフィック』が公開され、絶賛され、オスカーにノミネート確実だった頃に収録だった。『トラフィック』も演技どうこうよりも、「ソダーバーグ礼賛」映画だし、「話題先行なんだけど、その映画の監督が作家性強いため、いつの間に演技派か?」というのが、ダグラスの生き様か。個人的にはダニー・デビートキャスリン・ターナーと組んだ3部作が好きで、「娯楽物語としての脚本の良さを見抜くプロデューサー的な眼が彼の才能だろう」などとごく普通な意見でまとめてみる。
ETV『フランシス・フォード・コッポラ自らを語る』(8/15放送分、2001年製作)。ミュージシャンの息子、エイゼンシュテインの『十月』に感動、ロジャー・コーマンの所で修行(の話はガイシュツか)、『パットン大戦車団』の脚本で頭角を表す、『ゴッドファーザー』『地獄の黙示録』で伝説、『ワン・フロム・ザ・ハート』で自社大赤字、『アウトサイダー』『ランブルフィッシュ』は意外に実験作。『ゴッドファーザーパート3』は借金があったから作った。伝説的な作品に対するツッコミはないし、最近に当たった作品はないし、中途半端な番組になったのは否めない。