パロップのブログ

主にTVドキュメンタリーを記録します

『トラフィック』

水曜日から3日連続で約5時間。イギリスのテレビ・シリーズで、ソダーバーグ版『トラフィック』の元ネタという触れ込みだったが、舞台を動かした以外は、ほとんど同じだった。同じなのに、印象が全然違う。映画版で一番面白いのは「灼熱のメキシコ」編で、詰まらないのが「政府高官の娘」編だったが、イギリス版では逆に面白いのが政府高官編で、詰まらないのがパキスタン編。イギリス高官編が面白かったのは、ヤク中で苦しんでいる若い娘の物語が個人的に好きな『フィッツ』や『クリーガン』のようなイギリス・ドラマの手法そのもので、「うわっ、政府と組合、相変わらず対立しているよ」という些細な部分で楽しめたのが大きいかもしれない。映画を観たばかりの時は3箇所の色を変える手法を批判したような記憶があるが、ドラマ版の平坦なテレビドラマっぷりを見ると、裏返しの意味でソダーバーグのアイディアに感心する。パキスタン編が面白くないのは、頭の中にあるステレオタイプなパキスタンと寸分違わない話しか出てこないからだろうか。パキスタン内部の話よりもイギリス高官がパキスタンを訪れた場面の方が印象に残るということは、結局イギリス人から見たパキスタンの風景でしかないからだろう。2時間半に短縮した映画版の元が5時間なんだから細部を描いているんだろうと思ったら大間違い。淡々と話を積み重ねるイギリス・ドラマをスピード感溢れるハリウッド映画にすると同じ内容で半分の時間!